研究課題/領域番号 |
19K16470
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小林 裕人 山形大学, 医学部, 准教授 (40588125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 胃 / 壁細胞 / 胃酸分泌 / エストロゲン / 女性ホルモン / アロマターゼ / 内分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
女性ホルモンのエストロゲンに関する研究は古くから広く行われており、あらゆる角度から様々な機構について解析がなされている。近年、胃壁細胞で多量のエストロゲンが産生されていることが明らかになった。しかし、その大部分が肝臓で消費・代謝され、動脈血への影響が軽微であることから、胃のエストロゲン産生については近年まで明らかとなることなく殆ど追求されていない。本研究は胃壁細胞におけるエストロゲン産生というテーマの根幹に焦点を当てた基礎研究であり、診断や治療法等の臨床応用への展開が期待できるとともに、ヒトを含めた消化器―内分泌系に一石を投じる研究であるといえる。
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研究成果の概要 |
胃酸とともに胃壁細胞で行なわれるエストロゲン産生の基礎的研究を行った。 24ヶ月齢の老齢ラットでも胃粘膜上皮中にアロマターゼは発現していたものの、産生されるエストロゲン量は3ヶ月齢と比較して減少した。ヒト胃癌由来細胞株MKN45を用いた検討では、いずれの胃酸分泌調節因子もアロマターゼ発現量に有意な影響を及ぼさなかった。 以上の結果から、胃壁細胞のエストロゲン産生は加齢に伴う形態学的変化に起因して減衰し、制御機構は胃酸分泌とは異なるものである可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃壁細胞におけるエストロゲン産生は発見以来、その制御機構や存在意義が明らかではなく、近年に脂質代謝への関与は報告されたが、直接的な制御因子の解明など基礎的研究は不十分であった。今回、同一細胞内で行なわれる事象であるにもかかわらず、胃酸分泌とは異なる制御機構である可能性が示唆された。これは胃壁細胞におけるエストロゲン産生のさらなる解明の足掛かりとなると考えられる。 また、癌患者の中で最も多い胃癌にはエストロゲン産生腫瘍が報告されていることから、胃のエストロゲン産生は胃癌との関連性も推察される。このことから、本研究のさらなる進展は胃癌の新たな治療・診断法開発の端緒となることが期待される。
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