研究課題/領域番号 |
19K16472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
早津 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40468898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞分裂 / 電子顕微鏡 / 三次元再構築 / Array tomography法 / 電子顕微用 / 培養細胞 / 核膜 / 染色体 / 微細構造 / 核 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、細胞分裂時に生じる核膜の崩壊、消失および再形成、さらに染色体形成過程について、微細構造学的かつ三次元的に明らかにする研究である。主な観察対象としてインドホエジカ胸腺由来培養細胞を用いて透過型電子顕微鏡による観察で細胞の分裂期の同定および培養条件の検討を行い、次に透過型電子顕微鏡による観察結果に基づき作製した試料の連続切片を走査型電子顕微鏡で観察、取得した反射電子像から核膜、染色質および染色体を三次元再構築し、微細構造変化の解析、さらに免疫電子顕微鏡法による核膜の局在変化の解析なども行う。
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研究成果の概要 |
本研究は細胞分裂中に生じる核膜、染色質、染色体の微細構造変化を三次元的に明らかにすることを目的とする。最初に核膜を裏打ちする蛋白質のラミンに赤色蛍光蛋白質が発現するHeLa細胞を作製した。次に、共焦点レーザー顕微鏡による観察とArray tomography法による三次元的解析で、体細胞分裂中期の細胞では、ラミンが存在しないことを明らかにした。また、TEMによる観察で細胞の赤道面に集まる染色体の周りには核膜に微細構造学的に類似している断片化した膜構造が存在することを明らかにした。これによって一般的に消失するとされる細胞分裂中期において核膜は完全に消失せず、残存している可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、一般的には消失すると考えられている細胞分裂中期において核膜が断片化した膜として染色体周囲に存在している可能性を示すことができた。これまで細胞分裂前中期から後期においては存在していないと考えられていたことによりほとんど研究が行われてこなかったが、これらの細胞分裂期においても核膜の構造や機能の解析が必要であることを示す。今後、細胞分裂の全段階に渡る核膜の構造変化や機能が明らかにされることにより、核膜が関連する疾患の断定的な原因の究明、がん細胞の異常増殖の制御機構の解明へとつながる研究の足掛かりとなることが期待できる。
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