研究課題/領域番号 |
19K16478
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田村 直輝 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70745992)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オートファジー / 液-液相分離 / 非膜性オルガネラ / 高浸透圧ストレス / ストレス顆粒 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは真核生物で広く保存された液胞/リソソームによる細胞内分解機構であり、なかでも、二重の隔離膜が伸長して分解対象物を分解する経路はマクロオートファジーと呼ばれる。マクロオートファジーに関わる分子の多くが同定され、その機能が解明されたものの、隔離膜伸長過程の分子メカニズムは不明な点が多い。今回、申請者は隔離膜伸長因子の発現制御細胞を用いることで隔離膜伸長を実験的に制御し、各分子の動きを経時的かつ微細構造レベルで解析することを計画した。さらに、マウスの組織を免疫電子顕微鏡法により解析することで個体も含めたより多角的なマクロオートファジー隔離膜伸長機序の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
オートファジーとは飢餓ストレスなどに応答して細胞内の構成成分をオートファゴソームという隔離膜で包み込み分解する経路である。申請者はオートファジーにおける隔離膜形成過程の解明を目指し、特に高浸透圧ストレス下で誘導されるオートファジーに焦点を当てて研究を行った。結果として、高浸透圧ストレス下でp62とポリユビキチン鎖を中心とした非膜性オルガネラ(p62顆粒)が形成され、これをオートファジー隔離膜が特異的に認識し、リソソームで分解していることを明らかになった。さらに、電子相関顕微鏡法によりp62顆粒と別の非膜性オルガネラであるストレス顆粒の微細構造が異なっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題の成果は大きく二つあり、(1)高浸透圧ストレスによって誘導させるオートファジーの分子メカニズムを解明したこと、(2)複数の非膜性オルガネラの微細構造を明らかにしたことが挙げられる。ファスティングなどオートファジーを応用した健康療法が近年注目されており、今回明らかにした高浸透圧ストレス誘導性のオートファジーが新たな方法の一つになる可能性がある。また、(2)の非膜性オルガネラは筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患にも深く関与している構造であり、その微細構造の解明は学術面だけでなく医療面にも貢献できると思われる。今後の課題としては個体レベルでの解析が必要と考えられる。
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