研究課題/領域番号 |
19K16480
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石西 綾美 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10836018)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 疼痛 / 順遺伝学スクリーニング / Sorting nexin / labeled line |
研究開始時の研究の概要 |
疼痛の発生メカニズム及び神経系における伝達機構は多様でありその全貌は明らかではない。我々は、あるBACトランスジェニックマウスが、痛み刺激反応に著しく低下していることを発見した。興味深い事に、そのマウスは熱刺激に対する反応は正常であった。その我々が見出した表現型は、多様な刺激に反応すると考えられるC線維を明確なグループに区別できることを示唆する。これまで、異なる痛み刺激は異なる末梢神経を活性化させると考えられていたが(labeled line説)本研究は、極端な疼痛鈍麻マウスの順遺伝学的解析で疼痛原因遺伝子の同定とそれに基づくlabeled line説の検証を行う。
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研究成果の概要 |
疼痛の発生メカニズム、および神経系における伝達機構は多様でありその全貌は明らかではない。本研究では極端な疼痛鈍麻の表現型を示すTGマウスの順遺伝学的解析により、原因遺伝子となるSNX25を探り当て、さらに機能解明を目指した。SNX25 KOマウスの2ヶ月齢では、熱刺激に対する痛み行動に変化はないが、機械刺激および化学刺激に対して鈍麻の表現型を示した。しかし、6-8カ月齢では熱刺激に対する痛み行動も減弱することが明らかとなった。熱刺激、機械刺激および化学刺激に対する疼痛発生機序にも時期特異的な違いがあり、その制御因子としてSNX25およびその下流因子が関与していることを示唆する知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痛覚神経機能に関わる遺伝子を効率的に探索することは容易ではなく、その大規模な探索もこれまであまり行われてきていない。本研究は疼痛鈍麻TGマウスを用いて次世代シークエンスおよびcDNAマイクロアレイにより網羅的解析を行い、疼痛原因遺伝子の候補を見出した。現在の一般的な遺伝子の機能解析手法としては、ノックアウトなど遺伝子を操作してその表現型を調べる逆遺伝学が主要な方法であるが、本研究で用いた手法は、既に見えているTGマウスの表現型からその原因となる遺伝子を探りあてる順遺伝学であり、これまで機能が十分に知られていなかったSNX25の疼痛発生への関与を明らかにした点で学術的意義を有する。
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