研究課題/領域番号 |
19K16481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
新美 健太 香川県立保健医療大学, 教養部, 助教 (40807509)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リンパ管 / 内皮細胞 / 転写因子 / 酸化ストレス / 過酸化脂質 / リンパ管内皮細胞 / リンパ管新生 / FOXO1 / xCT |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病モデルマウスにおける代表的な症候の1つである皮膚創傷治癒の遅延を、リンパ管内皮細胞における酸化ストレスを除去することで創傷部におけるリンパ管新生を促進し改善を目指す。その標的として新規抗酸化ストレス経路FOXO1-xCT系を挙げ、その制御により糖尿病モデルマウスの創傷治癒遅延が改善するかを検討する。またその過程でFOXO1-xCT系がリンパ管新生の様々なプロセス(遊走・増殖など)において果たす役割を解析するとともに、FOXO1転写因子がxCTの発現量を調節する分子機構を詳細に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究課題はリンパ管新生を制御するメカニズムの1つとしてリンパ管内皮細胞の酸化ストレス応答に注目し、その分子メカニズムの解明を試みたものである。特に、過去にリンパ管内皮細胞に多量に発現する転写因子FOXO1を欠失した際の応答の変化に注目した。結果、FOXO1を欠失することでリンパ管内皮細胞は過酸化脂質の発生に対して脆弱になることが分かった。また、これはアミノ酸輸送体xCTの発現減少、グルタチオンペルオキシダーゼGPx4の発現減少、アシルCoAシンテターゼACSL4の発現増加を伴うことも分かった。これらよりリンパ管内皮細胞においてFOXO1が過酸化脂質の発生を統括的に防御していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ管は腸管から吸収した脂質の通り道であるため、その内壁であるリンパ管内皮細胞は多量の脂質に曝露される細胞であると言える。脂質への曝露は細胞内に過酸化脂質を発生させる原因になると考えられていることから考えて、リンパ管内皮細胞は過酸化脂質の発生に対して何らかの防御機構を有していると予想される。本研究課題では、転写因子であるFOXO1がリンパ管内皮細胞で過酸化脂質の蓄積を防ぐために中心的な機能を果たしていることを初めて明らかにした学術的新規性のある研究である。またこの成果はリンパ管の機能異常を伴う疾患の治療標的を提案することにつながる点で社会的意義がある。
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