研究課題/領域番号 |
19K16482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
横山 拓矢 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70772094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 頚動脈小体 / 免疫組織化学 / 小胞型ヌクレオチド輸送体 / ATP / 頸動脈小体 / ATP分解酵素 / P2Y12受容体 / 低酸素 / VNUT |
研究開始時の研究の概要 |
頚動脈小体の化学受容細胞における小胞型ヌクレオチド輸送体(VNUT)の機能的意義を解明する。形態学的手法により化学受容細胞の有芯小胞におけるVNUTの局在を確定する。また、蛍光標識ATPと共焦点顕微鏡を併用したイメージング解析を用いてVNUTによるATPの小胞内蓄積・分泌機能を立証する。さらに、生理学実験によってATPの小胞分泌に起因する呼吸反射制御の詳細を明らかにする。これらの多面的解析から、低酸素時の呼吸反射に対する頚動脈小体化学受容細胞におけるVNUTによる神経伝達制御機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
頚動脈小体における神経伝達物質ATPの開口放出に関わる小胞型ヌクレオチド輸送体(VNUT)の発現と局在を検索した。RT-PCRによって頚動脈小体においてVNUTのmRNA発現が認められた。免疫組織化学では、約23%の化学受容細胞にVNUT陽性反応が認められた。VNUT陽性反応は、P2X3型ATP受容体を発現する感覚神経終末に取り囲まれる化学受容細胞集団に限局していた。以上の結果から、VNUTは感覚神経終末が選択的に分布する化学受容細胞集団に限局することが明らかとなった。VNUTを有する化学受容細胞が特異的にATPを小胞分泌し、頚動脈小体から感覚神経終末へ低酸素の情報を伝達している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頚動脈小体の化学受容細胞は神経伝達物質ATPを分泌する機能的に同一な細胞集団とみなされており、その分泌機構を追究した研究はなかった。本研究は、VNUTを発現する化学受容細胞のみが低酸素の情報を伝達しているという新たな機能局在性の可能性を示した。今後、VNUTが化学受容細胞においてATPの小胞内蓄積と分泌を制御している事実を捉えることができれば、低酸素に対する呼吸反射経路の起動に関わる重要な知見を示すことができる。
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