研究課題/領域番号 |
19K16488
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
川岸 裕幸 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教 (30819082)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 分裂増殖 / gp130 / 新生児 / 分裂 / マウス / 心臓 / アデノ随伴ウイルス / 最終分化 / 液性因子 |
研究開始時の研究の概要 |
NintedanibはFGFやVEGF、PDGFの受容体の阻害剤である。これまでに、Nintedanib投与によるマウス心臓への影響について、複数の知見を得ている。そこで、Nintedanibの心臓および心筋細胞への作用について、さらなる解析を進める。Nintedanibがターゲットとする受容体に対して、アデノ随伴ウイルス(AAV)9-shRNAによる心臓特異的な遺伝子ノックダウンを行い、目的のシグナル伝達経路を遮断する。AAV9-shRNA投与によって心機能や心筋細胞の成熟が抑制されるマウス個体を特定、解析することにより、心筋細胞の成熟化を制御するシグナル経路、分子を同定する。
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研究成果の概要 |
哺乳類の心筋細胞は、生後直後では未成熟な状態にある。マウスの場合、生後一週間程度のみ、生理的な細胞分裂が生じるが、心臓の発達におけるその意義は不明である。研究代表者は、心筋細胞の生理的分裂におけるインターロイキン-6ファミリーの受容体gp130の役割について解析を行った。薬理学的、遺伝学的にgp130を抑制したところ、左心室の心筋細胞の分裂増殖が抑制された。そのようなマウスでは、左心室の心筋細胞総数が有意に減少しており、心収縮力も低下していた。したがって、生後の心筋細胞の生理的分裂増殖は、正常な心臓発達に重要であることが判明し、gp130シグナルがその制御機構の一つであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、哺乳類の生後に起こる心筋細胞の表現型変化について研究を行い、生理的分裂増殖におけるgp130シグナルの役割を明らかにした。近年、成人においても心筋細胞はわずかながら分裂増殖していることが知られており、この分裂増殖能の制御は心筋再生医療における重要な知見であると考えられる。また、乳幼児期の心筋細胞分裂を阻害すると、心機能の低下が引き起こされることを明らかにした。これは、たとえば乳幼児期に抗腫瘍薬治療を受けた患者では心筋細胞の分裂増殖が阻害されることで将来の心機能が低下する(心筋障害)という懸念を示しており、小児がんサバイバーにとって循環器領域のフォローアップの重要性が改めて示された。
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