研究課題/領域番号 |
19K16491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
粂 慎一郎 大分大学, 医学部, 助教 (90794579)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | イオンチャネル / hERGチャネル / 構造機能連関 / 分子生物学 / 電気生理学 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜の電位変化に応じて、細胞内外のカリウムイオンを受動的に輸送する電位作動性カリウムチャネル(Kv)の1つであるhERGチャネルは、ヒト心臓の拍動リズムの調節に寄与しており、その機能不全は心疾患の原因として知られる。このhERGチャネルは、他のKvには見られない独自の分子構造(Non-domain swapped構造)をとり、それに伴い細胞内の構造(ドメイン)間にも独自の相互作用が存在する。この相互作用はhERGチャネルが正常に機能するうえで重要な役割をもつ可能性がある。そこで、本研究ではこの相互作用の解析を中心に、hERGチャネル独自の分子構造と機能の関係性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
電位作動性カリウムチャネルであるhERGチャネルは、電位センサードメイン(VSD)とポアドメイン(PD)が同じサブユニット間で相互作用する独自の構造「Non-domain swapped構造」をとる。本研究では、この構造的特徴に伴う細胞内ドメイン間の独自の相互作用の有無を解析し、VSD-PD間のS4-S5リンカードメインとC末端に存在するCリンカードメインの間に物理的な相互作用が存在する可能性を見出し、hERGチャネルの特徴的な遅い脱活性化の制御機構との関係性を明らかにした。 その他、本研究の実験手法等を応用し、hERGチャネルに対する薬剤投与の影響を解析し、成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
hERGチャネルはヒト心室筋の活動電位における再分極の調節に関与しており、心臓の正常な生理機能において極めて重要な役割を担う。そのため、遺伝子の異常や薬剤の投与により機能不全が生じると、心室性不整脈や突然死のリスクを伴うQT延長症候群のような疾患の原因となり得ることが知られている。本研究により得られたhERGチャネルの構造機能連関に関する成果や薬物投与の影響に関する成果は、イオンチャネル研究の発展に役立つだけでなく、このようなヒト心臓の疾患に対する予防や治療への貢献も期待できる。
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