研究課題/領域番号 |
19K16509
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田頭 秀章 福岡大学, 医学部, 准教授 (90735028)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | イオン輸送体 / 肺高血圧症 / ミトコンドリア / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺小動脈が狭窄し、平均肺動脈圧が25 mmHg以上と高い状態が続くことにより右心不全に至る難治性の疾患である。現在、使用されているPAH治療薬は、予後の十分な改善には至っておらず、新規治療薬の開発が求められている。本研究では、肺血管平滑筋細胞のミトコンドリアCa2+輸送バランス異常に基づく肺高血圧発症機序の解明を目的として、各種ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子改変マウスおよび薬理学的ツールを駆使したin vivo/in vitro実験を実施し、肺血管平滑筋細胞のミトコンドリアCa2+輸送バランス異常と肺高血圧発症の因果関係を明確にすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管過収縮や肺血管リモデリングにより肺小動脈が狭窄し、慢性的に肺動脈圧上昇が続くことで右室不全をきたす難治性の疾患である。その病態分子機序の詳細は不明であり、PAHの発症機序の全容解明と有効な新規治療薬の開発が望まれている。近年、ミトコンドリア内膜に存在するCa2+輸送体として、MCUとNCLXが同定された。しかしながら、ミトコンドリアCa2+輸送体の生理学的役割および病態学的意義については未だ不明な点が多い。本研究では、ミトコンドリアCa2+輸送体遺伝子改変マウスを作製し、ミトコンドリアCa2+輸送体と低酸素誘発性肺高血圧発症機序の関連について検討を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、PAHの原因としてKCNK3(TASK1)やKv1.5の機能低下および非選択的陽イオンチャネルTRPC6の発現増加等が報告されており、PAHの発症・増悪には細胞膜K+チャネルやCa2+チャネルが関与することが示唆されている。本研究は、これまでに報告されている細胞膜チャネルではなく、細胞内オルガネラに発現しているミトコンドリアCa2+輸送体の各種遺伝子改変マウスならびに薬理学的ツールを用いて、肺血管平滑筋細胞のミトコンドリアCa2+輸送バランス異常による肺高血圧発症への関与を明らかとしたものである。肺血管過収縮や肺血管リモデリングの新しい病態機序として極めて興味深いものと考えられる。
|