研究課題/領域番号 |
19K16520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
阿久津 シルビア夏子 (AkutsuSilviaNatsuko) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10822299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Trisomy rescue / iPSC / chromosome / cytogenetics / trisomy / rescue / トリソミー・レスキュー / 染色体 / iPS細胞 / iPS cells / Chromosome / Aneuploidy / Reprogramming / Down syndrome / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症候群は、トリソミー21を原因とする最も患者数の多い染色体異数性病であるが、その根治的な治療法は未だに確立されていない。最近、iPS細胞への初期化でトリソミー21がレスキューされる「染色体異数性治療法」の可能性が報告された。本研究では、ゲノム編集技術を用いて、ダウン症候群iPS細胞における1)マウス2細胞期発現遺伝子および山中4因子の均一な誘導発現系、2)2細胞期(2C)様細胞集団の濃縮技術を構築して、高効率な染色体異数性レスキュー実験系を確立することを研究目的としている。本研究成果は、ダウン症候群の根治療法に向けた画期的な基盤技術となると期待される。
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研究成果の概要 |
ヒトの主要なトリソミー症候群(21、18、13、9トリソミー症候群)患者8人の皮膚線維芽細胞を入手して、iPS細胞を190クローンについてゲノムDNAのコピー数を網羅的に調べました。各トリソミー症候群の少なくとも1つの細胞株において、トリソミーレスキュー現象が確認されました。染色体の喪失は、親の由来に関係なく起こっていました。こうした結果から、iPS細胞リプログラミングによって多能性が誘導されると、1)トリソミー染色体のうち1本がランダムに細胞から喪失する、2)ダイソミーに正常化した細胞が選別されて単一iPS細胞コロニーを形成することが考えられました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリソミーレスキューは、着床前の初期胚でも観察されており、染色体数を正確に保つ生体のメカニズムの一つと考えられます。iPS細胞のトリソミーレスキューは、初期胚のトリソミーレスキューとメカニズムを共有する可能性があることから、本研究成果は生殖補助医療への貢献が期待されます。また、iPS細胞リプログラミングによるトリソミーレスキューは、ゲノム操作を伴わない染色体を修正する新たな治療法として、不妊症やがん治療などの再生・移植医療への応用が期待されます。
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