研究課題/領域番号 |
19K16526
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
平本 貴史 自治医科大学, 医学部, 助教 (00725062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | AAVベクター / 修飾法 / AAV / 中和抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子治療は様々な難治性疾患の根治治療として期待されている。しかし、約40%の患者は抗AAV抗体を保有するため、AAVベクター投与の適応とならず、またAAVベクターは投与後に抗AAV中和抗体が発現するために、再投与ができない。そこで、本研究はAAVベクターによる遺伝子治療の適応拡大および治療効果減衰後のベクター再投与法の開発を目指す。本研究により、AAVに対する生体内防御機構の解明だけでなく、AAVベクターの治療効果の改善と適応拡大が期待され、難治性疾患に対する遺伝子治療が、さらに現実的なものとなる。
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研究成果の概要 |
本研究では、アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)の細胞表面を修飾することにより生体内における免疫応答を回避する仕組みの構築を行なった。まず、VP2タンパク質遺伝子を標的として修飾を行なったが、先行研究の報告とは異なり、産生量の著しい減少が見られた。また、抗AAV抗体に対する反応性を解析すると、高力価の抗体では反応性を消失し、これが細胞表面の修飾数が少ないことに起因することが分かった。そこで異なるアプローチでAAVベクター表面を修飾することにした。修飾AAVベクターは、表面に修飾したタンパク質を発現しており、また感染効率、そして産生量ともに未修飾群と変わらないことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AAVベクター自身にヒトに対して病原性がなく、宿主ゲノムに挿入されずエピゾーム中にて遺伝子を発現するため、安全な遺伝子治療用ベクターとして多くの臨床試験が行われている。しかし、増殖細胞では遺伝子発現が徐々に失われることや既感染に伴う抗AAV中和抗体存在下では感染性を消失することが問題となる。本研究によって開発したAAVベクター表面修飾法は、これまで困難であったAAVベクターの修飾を可能とし、血清型によらず標的臓器への感染性を上昇させるだけでなく、中和抗体存在下でも感染する可能性を示した。
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