研究課題/領域番号 |
19K16528
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
研 澄仁 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教 (40709391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TSC / スプライシング / 遺伝子検査 / iPS / 結節性硬化症 / mTORシグナル / スプライシング異常 / 遺伝子診断 / 変異解析 / NGS / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
結節性硬化症における遺伝子検査は、技術的な問題により2割近くの患者で原因遺伝子であるTSC1/2の変異を同定することができないでいる。さらに検出できた変異に関しても、その変異が実際に遺伝子の機能にどのような影響を及ぼすかについての研究がなされておらず、その変異が病的な変異かどうかの判断が難しい場合が少なくない。そこで、我々は現行の検出方法を改良し感度を高めるとともに、分子、細胞生物学的アプローチから見つかった変異の生物学的意義を明らかにし、より正確な診断と治療法の選択に寄与することを目指す。さらに本研究から、TSC1/2の機能解明の一助となることを目指す。
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研究成果の概要 |
今回我々は、結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex:TSC)の原因遺伝子であるTSC1/2の網羅的スプライシング解析法を確立し、従来の遺伝子検査では診断のつかなった患者から新規のスプライシング異常を多数発見した。さらにその新規異常スプライシング産物の機能解析のために、患者由来iPS細胞を樹立した。本研究で確立したスプライシング解析法は、ロングPCRによるTSC1/2の全長cDNA増幅と次世代シーケンサー(NGS)を組み合わせた解析法で、従来のスプライシング解析に比べて安価で高感度な解析法であり、2021年J Mol Diagnにて報告している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果からTSC1/2のスプライシングバリアントには組織間や個体間で大きな多様性があり、それがTSC遺伝子の機能並びに疾患の重症度と深く結びついている可能性を見いだした。結節性硬化症は全身性の過誤腫病変を主とする遺伝性疾患であるが、その症状の現れ方や重症度には大きな個人差がある。一般的に遺伝子の機能はその発現量とタンパクの機能によって評価されるが、どのようなスプライシングバリアントがどのような割合で発現しているかも遺伝子機能を見る上で重要な情報となる。iPS細胞を用いた機能解析により、TSC1/2の新しい機能制御機構の解析、ならびに疾患の重症度や予後の予測に寄与できることが期待できる。
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