研究課題/領域番号 |
19K16540
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
趙 成珠 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (50778678)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 進行性骨化性線維異形成症 / FOP / iPS細胞 / iPS 細胞 / フレア・アップ / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は希少疾患であるFOP病態初期の熱感と疼痛を伴う腫脹が生じるフレア・アップ現象に着目し、FOP患者由来iPS細胞 (FOP-iPSC) を用いて、病態メカニズム解明および候補治療薬探索を目指す。具体はフレア・アップ部位の主な細胞成分と考えられる間葉系幹細胞 (MSC) の過剰増殖・動員現象に着目し、FOP-iPSCから分化誘導されたMSCを用いることで、初期病態のin vitro再現系を構築する。一方、MSCの増殖・動員には、TGF-βシグナルが重要であるため、構築した再現系を用いて、FOP細胞が特異的にTGF-βシグナルに反応する分子メカニズムの解明及び治療候補薬の探索を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、希少遺伝性疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の骨化巣出現前の発病初期にフレア・アップと呼ぶ皮下軟組織腫張現象のメカニズム、及びそれを抑制する方法の解明を行なった。患者由来iPS細胞からin vitro再現系を構築し、スクリーニングよりFOP 細胞のみが過剰に反応する新規リガンド A を同定した。その上、リガンド Aの投与が FOP モデルマウスの筋肉に局在する線維性細胞の増殖を促進し、異所性骨化に導くことを見出した。今回の成果はこれまでほぼ研究されていないフレア・アップが起こる分子メカニズムの解明、および治療法の開発に繋ると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年盛んに行われた FOP の骨化および軟骨化メカニズムの解明とそれを抑制する新規候補となる化合物探索研究と比較して、フレア・アップ期については現状では現象論的な臨床研究にとどまり、病態メカニズムも未解明な点が多い。本研究で構築した in vitro 病態再現系、およびそれを基づいて見出したリガンド A はフレア・アップに関連する分子シグナルの解明、 及びそれを抑える治療法の探索へとつながると期待される。
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