研究課題/領域番号 |
19K16548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩渕 英里奈 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70837278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 乳癌 / エクソソーム / 血管新生 / タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,癌細胞や間質の正常細胞から分泌されるエクソソームが癌の機能に関わることが報告されており,エクソソームの機能解析は乳癌の生物学的特徴を理解する際に重要である.これまで,エクソソーム研究は血清や尿などが用いられることが多く,病理組織標本上での発現意義を検討した研究はほとんど行われていない.そこで,本研究ではヒト乳癌組織におけるエクソソームマーカーの発現意義を検討する.さらに,エクソソームマーカーと細胞膜タンパクとのタンパク質間相互作用に着目し,その機能解析も実施する.本研究により,エクソソーム解析の乳癌病理診断における意義が明らかになることが期待される.
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研究成果の概要 |
乳癌組織でのエクソソームマーカーCD63,CD81,CD9およびCaveolin-1の発現は血管新生の指標と正相関を示し,また細胞増殖が盛んな症例においても陽性細胞が多く認められた.また,タンパク質間相互作用に着目することで,乳癌細胞株由来のCaveolin-1が分泌に関わるエクソソームにおいては血管内皮細胞に作用し,血管新生を促進すると考えられた.本研究で検討したタンパク発現は乳癌の悪性度に関連し,血管新生および細胞増殖に関与する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌細胞由来エクソソームは血清などを用いてその意義が広く検討されているが,本研究では,通常病理診断で用いられるホルマリン固定パラフィン包埋組織においてエクソソームマーカーの発現を検討し,癌細胞での発現が高い症例では血管新生が促進しており,より悪性度が高いことを示した.本研究により,エクソソームの新たな解析手法を提案し,また病理検査技術や治療法の開発にも寄与することが期待される.
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