研究課題/領域番号 |
19K16556
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上島 千幸 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (80759449)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マスト細胞 / 異所性妊娠 / トロホブラスト細胞 / Stem cell factor / LIF / CD9 / 脱落膜 / 子宮内膜間質細胞 / トロホブラスト / SCF / 妊娠 / 卵管妊娠 / 免疫担当細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの妊娠成立において、胎児母体境界に存在する免疫担当細胞は重要な役割を担う。免疫担当細胞の1つであるマスト細胞は正常妊娠時、妊娠成立に関与することが報告されているが、異所性妊娠時の役割は報告されていない。 我々は卵管妊娠に代表される異所性妊娠(子宮外妊娠)におけるマスト細胞を含めた免疫担当細胞の役割について本研究で明らかにしたいと考える。この結果により、卵管妊娠に代表される異所性妊娠の予防・治療の標的となりうる可能性を提示できると期待する。
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研究成果の概要 |
正常妊娠と卵管妊娠の組織検体にてマスト細胞 (MC) 数とMCに重要なサイトカインであるSCFのmRNAの発現レベルを調べたところ卵管妊娠ではどちらも減少した。また卵管妊娠ではLIFを発現したマスト細胞が皆無であった。 正常妊娠と卵管妊娠の違いとして脱落膜の有無があるためinvitroで子宮間質細胞の脱落膜化とMCの関係性を調べた。間質細胞が脱落膜化するとSCFのmRNAの発現が増加し、共培養するとMCの遊走やLIFの分泌を促進した。またトロホブラスト細胞を加えると絨毛外栄養膜分化マーカーであるCD9の産生が増加した。 これよりマスト細胞が卵管においても妊娠成立を阻害している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵管妊娠に代表される異所性妊娠(子宮外妊娠)におけるマスト細胞を含めた免疫担当細胞の役割についての報告は皆無である。本研究では、卵管マスト細胞が 異所性妊娠成立に関与するのか、どのような機構を介してなのかを明らかにした。 マスト細胞数が卵管妊娠では正常妊娠を下回っていた。脱落膜マスト細胞がトロホブラストの浸潤や血管増生を促進し、妊娠成立を促進することや不妊患者の一部で脱落膜に存在するマスト細胞数が減少することを報告しており、マスト細胞が卵管においても妊娠成立を阻害している可能性が示唆された。加えて正常妊娠において脱落膜マスト細胞がトロホブラストの分化に関与することが示唆された。
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