研究課題/領域番号 |
19K16565
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木原 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10806756)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 癌肉腫 / 未分化癌 / 脱分化癌 / 子宮体部 / クロマチンリモデリング / ZEB1 / 子宮体癌 / SWI/SNF複合体 / 上皮間葉移行 / クロマチンリモデリング因子 / 比較解析 / 予後因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではhigh-grade子宮体癌の予後層別化に有用な因子を探索することを目的とする。より高悪性度である癌肉腫に着目し、癌肉腫と共通の異常を獲得したhigh-grade子宮体癌は悪性度が高く予後不良であるという仮説のもと、切除材料を用いて両者の蛋白発現や遺伝子の異常を包括的に比較解析する。癌肉腫と共通する異常を見出し、high-grade子宮体癌においてどのような臨床病理学的意義を有するのか検討し、有意な予後因子を同定する。また、癌肉腫の癌腫成分とhigh-grade子宮体癌の異常の頻度を比較することで、癌肉腫進展の危険因子を同定することも目指す。
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研究成果の概要 |
アーカイブされていた癌肉腫症例のレビューにより、その一部は未分化癌あるいは脱分化癌に該当することが判明した。両者の臨床病理学的検討や免疫組織化学的検討を行い、未分化癌・脱分化癌の特徴を明確にした。SWI/SNF複合体サブユニットのSMARCA4/SMARCB1/ARID1Bの発現欠失は未分化癌・脱分化癌と明細胞癌のみに認められ、癌肉腫は全例発現保持していた。SMARCA4/SMARCB1/ARID1Bの欠失した未分化癌・脱分化癌は癌肉腫より予後不良であった。上皮間葉移行関連転写因子の発現は未分化癌・脱分化癌と癌肉腫のほぼ全例で認めたが、高悪性度子宮体癌では殆ど認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮体部の未分化癌・脱分化癌は、癌肉腫や高悪性度類内膜癌と形態学的に類似しているため混同しやすく、病理診断において正確な診断が難しい。また、未分化癌・脱分化癌と癌肉腫を異なる疾患単位として捉えるべきか明確でなかった。本研究により、未分化癌・脱分化癌と癌肉腫の間に臨床病理学的な差異があり、少なくとも一部においては発症機序に違いがあることが示唆された。未分化癌・脱分化癌は癌肉腫と異なる独立した疾患で、それらの病理診断に有用な知見を得ることができた。
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