研究課題/領域番号 |
19K16567
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
秋谷 昌史 北里大学, 医学部, 助教 (80836099)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | LEFTY / Nodal / Glioblastoma / Hypoxia / 膠芽腫 / 低酸素 / EMT / がん幹細胞 / apotosis / 血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍のひとつである膠芽腫は、現在の医療では根治が困難である。その原因のひとつに、 自己複製能・多分化能を特徴とするグリオーマ幹細胞の存在がある。我々は、先行研究によりLEFTY(left-right determinant factor)がグリオーマ幹細胞マーカーであり、血管新生に関与する可能性を見出した。本研究は、①臨床検体や培養細胞を用いて膠芽腫におけるLEFTY発現を検討し、②そのLEFTY発現がグリオーマ幹細胞および血管新生に及ぼす影響を検索、③最後にLEFTY発現を基盤とした新規予後予測システムを構築する。これにより、新規治療への応用を目標としている。
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研究成果の概要 |
膠芽腫で、LEFTY、Nodalの発現は、及び高アポトーシスと低細胞増殖の所見が偽柵状壊死巣(Ps)や非壊死性腫瘍病巣と比較して、非偽柵状壊死巣(non-Ps)周囲病巣で有意に高地であった。GBM細胞株であるKS-1では、低酸素模倣剤CoCl2による処理でLEFTYレベルが上昇した。LEFTYとNodalの過剰発現は、増殖率を高め、CoCl2誘発アポトーシスに対する感受性を低下させ、癌幹細胞関連マーカーの発現を増大させた。LEFTYとNodalは、アポトーシス、増殖、EMT/GCSの特徴を変化させ、non-Ps の壊死周囲病変における細胞の生存に寄与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
<学術的意義>①膠芽腫のグリオーマ幹細胞の新規マーカーとしてLEFTYを同定し、LEFTY関連シグナルカスケードの検索から新たなグリオーマ幹細胞の誘導・維持機構を解明した。②LEFTY陽性グリオーマ幹細胞による血管新生制御の観点からみた膠芽腫の新たな生物学的特性を解明した。<社会的意義>③小化学化合物などによるLEFTY関連シグナルカスケード阻害によりグリオーマ幹細胞の“幹”形質の消失や血管新生抑制による膠芽腫の分子標的治療の基盤を築くことができる。
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