研究課題/領域番号 |
19K16568
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
平井 秀明 東京医科大学, 医学部, 助教 (00770744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 唾液腺導管癌 / androgen receptor (AR) / HER2 / PD-1 / PD-L1 / EZH2 / adipophilin / FASN / Androgen receptor (AR) / PD1 / Adipophilin / 癌免疫微小環境 / androgen receptor |
研究開始時の研究の概要 |
我々は切除不能・再発転移を示す唾液腺導管癌に対し抗HER2療法とアンドロゲン遮断療法の臨床試験を施行し、68%と42%の高い奏効率を得た。療効果を予測するバイオマーカーの解明が望まれるが、検討した報告はない。また、多くの癌腫で免疫チェックポイント阻害剤の有用性が明らかになっているが、唾液腺癌の領域で基礎的な解析はほとんどなされていない。本研究では、新規治療を施行した症例を含む約300例のSDCについて、病理組織学的検討、免疫組織化学的検索、遺伝子解析を行い、抗HER2療法とアンドロゲン遮断療法における治療効果予測因子を探索すると共に、免疫逃避分子機構の解明とそれに基づく治療法開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、新規治療法である抗HER2療法やアンドロゲン遮断療法を施行した症例を含む唾液腺導管(SDC)症例を対象とし、それらの新規治療法の効果予測因子を探索すると共に、免疫逃避分子機構の解析を行った。 治療効果予測因子の探索では、EZH2の高発現がSDCのアンドロゲン遮断療法の効果不良予測因子になりうることを明らかにした。また脂質関連蛋白の臨床病理学的意義を解析し、adipophilinの発現がSDCの予後不良因子であることを示した。更に免疫微小環境の解析では、SDCにおいてPD-L1高発現が予後不良因子であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で唾液腺導管癌(SDC)の予後因子や治療効果予測因子の一部が明らかになったことは、高悪性度腫瘍でかつ標準治療が確立していないSDCの治療戦略構築の一助になるものと考えられる。また、免疫微小環境のうちPD-1とPD-L1の臨床病理学的意義を明らかにしたことは、PD-1阻害薬をはじめとする免疫療法をSDCの治療に導入するにあたって有意義な基礎的データとなるであろう。
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