研究課題
若手研究
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の病因病態形成において、好中球細胞外トラップ(NETs)が関与しており、生体内の主要なNETs分解因子であるDNase Iに抵抗性を示すNETsが形成されている。本研究では、DNase I抵抗性NETsの形成機序を明らかにすることを目的とする。DNase I感受性NETsとDNase I抵抗性NETsのタンパク質をプロテオーム解析により比較し、NETsにDNase I抵抗性を付与するタンパクを明らかにし、DNase I感受性NETsへと導く薬剤候補を明らかにする。
DNase I感受性NETsあるいはDNase I抵抗性NETsのタンパクを網羅的に比較し、NETsにDNase I抵抗性を付与すると考えられるタンパク候補を18種類絞り込んだ。NETs誘導時に候補タンパクを加えると、5つのタンパクで正常NETsの形成が抑制され、DNase I抵抗性の異常なNETs形成が主体となった。そのうちの1つのタンパクに対する阻害抗体をNETs誘導時に加えると、正常および異常なNETs形成が抑制された。
ANCA関連血管炎では分解因子DNase Iに抵抗性を持つNETsが産生され、その結果自己抗体の産生や組織障害が誘導される。本研究では、NETsにDNase I抵抗性を付与する可能性のあるタンパクを絞り込んだ。そのうちの1つのタンパクに対する阻害抗体は異常なDNase I抵抗性NETsの産生を抑制したことから、本研究の成果はDNase I抵抗性NETsが関連する疾患の治療に応用できる可能性がある。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
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