研究課題
若手研究
濾胞性リンパ腫は難治性であり、その要因にはリンパ腫細胞自身の増殖能と腫瘍免疫を含む微小環境による腫瘍保護作用の2つの問題がある。標準治療はリンパ腫細胞に対する化学療法であるが、根治に至らない。そこで、微小環境による腫瘍保護作用のメカニズム解明に着目した。濾胞性リンパ腫の微小環境の根幹をなすリンパ腫関連濾胞樹状細胞に発現するエストロゲン受容体αに焦点を当て、抗エストロゲン療法の濾胞性リンパ腫への応用を目指す。
抗エストロゲン治療後の腋窩リンパ節では、無治療の腋窩リンパ節と比較して、エストロゲン受容体アルファ(ERα)陽性細胞数が少なく、加えて胚中心、CD21陽性およびCD23陽性濾胞樹状細胞の面積が小さいことが判明した。濾胞性リンパ腫(FL)微小環境内においてGrade 3よりも、Grade 1-2の方にERαおよびCD23発現細胞が多いことが判明した。全生存期間と無増悪生存期間のいずれにおいても、ERα高発現群のFLは低発現群のFLよりも予後が良好であり、さらにERαの高発現はFLにおいて独立した予後良好因子となることが判明した。
本研究成果より、抗エストロゲン治療が濾胞樹状細胞(FDC)の増生・増殖を抑えることが出来る可能性があることを見出した。さらに、ER陽性CD23陽性FDCはGrade 1-2の濾胞性リンパ腫(FL)に多く存在し、G3 FLではほとんどみられなかったことより、G3 FLよりもG1-2 FLに抗エストロゲン治療の効果が期待出来る。
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