研究課題/領域番号 |
19K16578
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
臺 知子 筑波大学, 附属病院, 研究員 (20835194)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 肺腺癌 / プロテオミクス / 悪性化 |
研究開始時の研究の概要 |
肺腺癌は日本人の癌の死因1位である肺癌のなかでもっとも多い組織型である。初期癌は切除すれば治るが、進行癌は完治することは難しい。肺腺癌の発生に直接かかわるドライバー遺伝子でもっとも頻度が高いのはEGFR(上皮成長因子受容体)変異である。我々はEGFR変異のある初期癌と小型浸潤癌について質量分析計を用いてプロテオミクス解析を行い、EGFR変異のある初期癌は小型浸潤癌に進行する間に多くのタンパク発現が変化しているという結果を得た。本研究ではプロテオミクス解析で見つかったタンパクについて免疫組織化学染色と機能解析によって検証を行い、真の悪性化を引き起こす因子を発見することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
EGFR変異のある小型非浸潤性肺腺癌Adenocarcinoma in situ (AIS)と小型浸潤性肺腺癌の定量プロテオミクス解析を行いました。AISより小型浸潤性肺腺癌で有意に高発現していたタンパク質群についてウエスタンブロット解析により検証を行い、6つのタンパク質(CRABP2、NDRG1、DHCR24、AK4、PIP4K2C、IFITM3)の発現の有意差を確認することができました。肺腺癌の組織マイクロアレイの免疫組織化学染色を行ったところ、5つのタンパク質(CRABP2, NDRG1, DHCR24, AK4, IFITM3)の発現差が予後不良と有意に相関していました。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺腺癌のドライバー遺伝子であるEGFR変異は前癌病変や予後のよい上皮内腺癌においても検出され、肺腺癌の悪性化にはEGFR変異以外の因子も関わっている可能性がある。小型肺腺癌のプロテオミクス解析からAISより小型浸潤性肺腺癌で発現が高く、肺腺癌多数症例で予後との相関がみられた5つのタンパク(CRABP2, NDRG1, DHCR24, AK4, IFITM3)が見出された。これらの5つのタンパクは、肺腺癌の悪性度に早期から関与する可能性がある。
|