研究課題/領域番号 |
19K16599
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 和貴 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (10802621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 免疫寛容 / 制御性T細胞 / 移植片対宿主病 |
研究開始時の研究の概要 |
移植片対宿主病 (GVHD) は造血幹細胞移植後の重篤な合併症である。GVHD の原因は移植片に含まれるドナー T 細胞の過剰な活性化であるが、現行のステロイド治療だけでは不十分な場合もあり、新たな治療法の開発が急務である。制御性 T 細胞 (Treg) は多様な免疫寛容の機構を有しており、有用な治療標的となり得るが、その活性化制御機構は十分に解明されていない。本研究の目的は、活性化受容体 DNAM-1 が、GVHD モデルマウスにおける Treg 細胞の機能をどのように調節しているか明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
制御性T細胞 (Treg) は高度な免疫抑制機構の中枢を担う重要な細胞であるが、炎症環境ではTregの免疫抑制機能が低下してしまい、炎症性疾患の一因となることが知られている。本研究では、免疫受容体DNAM-1がTregの機能を司る転写因子Foxp3の発現を低下させることでTregの機能不全を促進することを明らかにした。DNAM-1を阻害もしくは欠損させたところ、ヒトとマウス両方のTregにおいて安定したFoxp3発現と高い免疫抑制機能が認められた。今後、自己免疫疾患や炎症性疾患において、Tregの機能亢進を目指したDNAM-1標的療法の開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移植片対宿主病(GVHD)は造血器悪性腫瘍や再生不良性貧血に対する治療として行われる同種造血幹細胞移植における最も重篤な合併症であり、生命予後にも直接影響するため、優れた治療法の開発が急務である。 本研究は、免疫抑制機能を担う制御性T細胞(Treg)に着目し、Treg細胞上に発現する免疫受容体DNAM-1を阻害することでTreg細胞の機能を飛躍的に増強させることを見出し、GVHD病態を軽快させる分子機構を解明した。以上の結果より、DNAM-1を標的としたGVHD の新たな治療法の開発が期待される。
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