研究課題/領域番号 |
19K16612
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松平 竜之 大阪大学, 微生物病研究所, 特別研究員(CPD) (20812267)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 細胞老化 / 血管内皮細胞 / 血液脳関門 / BBB / 個体老化 |
研究開始時の研究の概要 |
脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患は日本人の主要な死因であるだけでなく、運動麻痺や認知症の発症をもたらすことから、その防止は高齢者が身体的・精神的に活力ある生活を送るうえで肝要である。近年、加齢に伴い血液脳関門(BBB)の機能が低下することが報告されている。BBBの機能低下は脳血管疾患だけでなく神経変性疾患の要因にもなることが示唆されているが、両者の因果関係は明らかではない。また加齢に伴うBBBの機能低下の原因も十分に解明されていない。本研究課題では、BBBの機能低下を細胞自身の老化現象の観点から解析し、加齢に伴う脳血管疾患および神経変性疾患の発症メカニズムの一端を明らかにすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
加齢に伴う血液脳関門(BBB)の機能低下は脳血管疾患だけでなく神経変性疾患の要因にもなりうるが、BBBの機能低下の詳細なメカニズムは十分に明らかにされていない。本研究課題では、BBBの機能低下の原因として血管内皮細胞の細胞老化現象に着目し解析を進めた。脳血管内皮細胞の遺伝子発現等について若齢マウスと高齢マウスとを比較したが、細胞老化の観点では両者に大きな違いが見られなかった。一方で高齢マウスの脳血管内皮細胞では炎症性が亢進しており、本研究では培養細胞レベルで炎症を抑制しうる血管内皮細胞特異的な遺伝子の候補を同定することができた。今後はマウスの個体レベルでも炎症を制御しうるのか否か調べていく。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液脳関門(BBB)は神経細胞への栄養素の選別、毒素の遮断、変性タンパク質蓄積の防止などを担うが、これらの機能が加齢に伴い低下することが報告されている。BBBの機能低下の要因の一つがBBB構成細胞の細胞老化であることが明らかになれば、他の組織で理解が進んでいる細胞老化の研究をこの研究領域に生かせるだけでなく、老化細胞選択的な除去薬の適応も選択肢となり、加齢に伴う脳機能低下や神経変性疾患防止の新たなアプローチを見出すことが期待される。
|