研究課題/領域番号 |
19K16613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 穣 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (30836250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | AIRE / I型糖尿病 / Xcr1陽性樹状細胞 / NOD / Ⅰ型糖尿病 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
AIRE(Autoimmune regulator)は自己寛容の成立機構を担う胸腺髄質上皮細胞において発現するが、I型糖尿病モデルであるNOD(non-obese diabetic)マウスにおいて、AIRE遺伝子を過剰に発現させたトランスジェニックマウス(AIRE-Tg)を作製したところ、糖尿病の発症が完全に阻止された。つまり、AIREの過剰発現に伴いⅠ型糖尿病という自己免疫症状が緩和されたことになる。本研究ではこのトランスジェニックマウスにおけるI型糖尿病抵抗性獲得のメカニズムについての解析を通じ、AIREがどのように自己寛容の成立に寄与しているのか解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
I型糖尿病患者は世界的に増加の一途を辿っているが、その発生機序は未だに不明である。他方、AIREは胸腺の髄質上皮細胞に発現し、その機能欠損に伴い種々の内分泌臓器を標的とする遺伝性自己免疫疾患を呈する。興味深いことに、ヒトI型糖尿病のモデルマウスであるNODマウスにヒトAIREを付加的に発現させたところ、糖尿病の発症を完全に抑えることが出来た。骨髄移植を用いた実験により、この糖尿病抵抗性はAIREを付加的に発現する骨髄由来抗原提示細胞が原因であり、さらに膵臓β細胞関連抗原の提示に重要な役割を担うXcr1陽性樹状細胞がAIREの発現レベルに応じて減少していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
I型糖尿病の原因究明は、近年の患者数の増加をふまえると、緊急性の高い重要研究課題である。さらに、AIREは単一遺伝子の異常により遺伝性の自己免疫を発症するが、AIREの詳細な機能は未だ完全に解明されたとは言い難い。本研究では、ヒトAIREの付加的な発現に伴って、特定のモデルにおいて糖尿病抵抗性を示すメカニズムを明らかにした。本研究はI型糖尿病の発症およびAIREによる自己寛容成立のメカニズムの双方に焦点を当てた、非常に独自性をもった内容である。さらに、AIREの機能異常に基づく疾患病態の解明は、AIRE欠損症のみならず、他の自己免疫疾患の原因究明にもつながると期待される。
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