研究課題/領域番号 |
19K16615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
杉本 幸太郎 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40791009)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん / 細胞間接着 / 核内受容体 / 乳癌 / 子宮体癌 / 婦人科癌 / 細胞接着 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は細胞間接着分子クローディンから核内受容体に至る新規シグナル伝達経路を発見した。またこの標的がエストロゲン受容体(ER)にも存在することを端緒とし、CLDN-ER連関による新たな腫瘍細胞の制御機構を着想した。本研究では分子生物学的アプローチと臨床病理検体の解析を組合せ、ER-CLDN連関に着目した次世代のがん個別化治療戦略を見据えた新知見を確立する。
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研究成果の概要 |
細胞間接着分子クローディン-6から核内受容体に至る新規のシグナル経路を発見し、これが幹細胞の上皮分化トリガーとなることを示した。続いてクローディン-6が子宮体癌の予後不良因子であることを明らかにした。さらにそのメカニズムは、クローディン-6から核内受容体のひとつであるエストロゲン受容体に至るシグナルが異常活性化していることに起因することを解明した。また乳癌ではクローディン-6と近縁名クローディン-4から別の核内受容体である肝X受容体へのシグナルが異常活性化しているという示唆的結果を得ている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核内受容体は天然の脂質リガンドによって活性化されるが、リン酸化などの翻訳後修飾によっても制御されている。前者は比較的よく研究されていたが、後者はあまりよく解っていない。本研究では核内受容体の異常リン酸化が腫瘍の悪性形質制御に影響することを明らかにし、これが新規診断マーカーであると共に潜在的な治療標的である可能性が示唆された。本研究は新規創薬など個別化がん治療戦略の発展に寄与するものである。
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