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胎児炎症反応において頭部の原始マクロファージが早産児脳障害を誘発するメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 19K16617
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関杏林大学

研究代表者

三浦 晶大  杏林大学, 保健学部, 助教 (00807753)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2020年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード早産児脳症 / 全身性炎症 / マクロファージ / ミクログリア / IL-1β / 早産児脳障害 / 原始マクロファージ
研究開始時の研究の概要

妊娠中期以降、胎児に全身性炎症反応が起こる胎児炎症反応症候群(FIRS)では、炎症性サイトカインが胎児の脳に伝わることにより、早産児脳障害を引き起こす。
本研究では胎児期の脳周囲に存在する幼若組織(頭部間葉)に位置する原始マクロファージが全身炎症の刺激を受け、脳内に炎症性微小環境を誘導するメカニズムを明らかにする。
新生仔マウスの腹腔内へLPSを投与し作製したFIRSモデルを用いて、新生仔期から成体期にかけて、頭蓋内の原始マクロファージおよびミクログリアを対象に、炎症関連物質についての定量組織学的解析および遺伝子発現解析を行う。
成果はFIRSにおける早産児脳障害メカニズムの解明に貢献できる。

研究実績の概要

ヒトでは早産児に相当するマウスの新生仔を用い、脈絡叢および頭部間葉のマクロファージ、脳実質のミクログリアが全身性炎症に応答するかをインターロイキン(IL)-1β発現を指標にして調べた。
生後7日齢(P7)にLPSを投与した群で4時間後に脈絡叢・頭部間葉MφのIL-1β陽性率が生理食塩水を投与した群と比べて増加したことに加え、脳実質の小脳髄質でもマクロファージ/ミクログリアのIL-1β陽性率は生理食塩水群に比べて有意に上昇した。成体マウスにおける同様のデザインで行われた実験では、LPS投与4時間後において、新生仔期の頭部間葉に相当する髄膜空間および脈絡叢ではIL-1βによる炎症性応答がみられたが、脳実質のいずれの部位でもIL-1βによる炎症性応答はみられなかった。
さらに、新生仔マウスの脳における生後発達に伴う頭部間葉マクロファージおよび脳実質ミクログリアの時間的変化を解析したことにより、P7の時期において頭部間葉マクロファージの脳実質内への移動を示唆する結果が得られた。
このことより、新生仔マウスにおける全身性炎症の際、脈絡叢間質・頭部間葉のマクロファージがIL-1βによる炎症性応答を担うことが明らかとなった。さらには、P7の時期では、この部位のマクロファージが脳実質内に移動し、脳内の炎症性環境の形成に関与していることが示唆された。
以上より、P7の時期に全身性炎症が生じると、脈絡叢・頭部間葉のマクロファージが初期の炎症性応答を担い、活性化状態を維持したまま脳実質に進入すると考えられる。この現象は早産児の全身性炎症に続発して脳内に炎症性環境が持続する原因に関与すると推測する。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-12-27  

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