研究課題/領域番号 |
19K16618
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 美菜子 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70793115)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 脳内炎症 / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はマウス実験的脳虚血 (脳梗塞) モデルを用いて脳損傷後の炎症によって梗塞や神経症状が増悪化することを見出し報告してきた。発症2週間目以降の慢性期には多量のT細胞が浸潤しており極めて特殊な様相を示すことを見出した。特にTregが大量に蓄積し、ミクログリアやアストロサイトの過剰な活性化を制御して神経症状の回復に寄与することを明らかにしている。本研究においてその分子機構を明らかにする。この研究によって脳梗塞や脊髄損傷、あるいは多発性硬化症の増悪化の原因と制御方法の理解が進むものと期待される。
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研究成果の概要 |
脳梗塞発症後2週間以上を経過したマウスの脳内には急性期よりもはるかに多くのT細胞が浸潤しており、特に制御性T細胞 (Treg) が大量に蓄積した。また脳Tregは脳特異的な性質も示していた。多発性硬化症モデルやアルツハイマーモデルマウスにおいても同様の性質を示すTregの存在を確認した。EAEモデルは脊髄と脳の両方に病態を形成するが、同個体でも脊髄と脳に存在するTregのフェノタイプは異なっており、脳に存在するTregは脳梗塞の脳内に浸潤したTregの特徴に近かった。これらの結果より、組織Tregは病態よりも局在する組織の環境によって性質を獲得している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞後の脳内に存在する制御性T細胞は、損傷した組織を修復する働きを持っていることが分かった。このように脳組織の修復を促す脳特異的Tregを誘導するメカニズムを解明することで新規治療法を開発出来る可能性がある。
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