研究課題/領域番号 |
19K16619
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
早野 元詞 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30593644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 筋肉 / サルコペニア / DNA損傷 / ICEマウス / Pax7 / Myh9 / Ttn / スプライシング異常 / ICE / RCM / HNF4A / Myc / SETD1B / 老化 / エピゲノム / サテライト細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では老化の中でもエピゲノムの「増殖」、「分化」、「再生」、「フレイル」における機能と分子制御に着目し、骨格筋幹細胞/Satellite cellに焦点を絞る。自然老化に伴って骨格筋幹細胞の数が現象し、その機能も低下する。酸化ストレス、DNA損傷などライフコースにおいて生じる外的ストレスが、どのようにエピゲノムに記憶され、長期的影響を与えるのか分子機構を明らかにする。そして骨格筋幹細胞の多様な機能とフレイルにおける機能低下がエピゲノムを標的にすることで回復可能か、「老化の可逆性」についてエピゲノム編集を用いて検討する。
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研究成果の概要 |
ICEマウスにおいてDNA損傷依存的老化誘導によって、Pax7陽性細胞が減少していることが明らかになった。また、筋肉組織としてのRNA-seqによる遺伝子解析からPax7の遺伝子発現量が低下し、Myh9やMyl4などの筋萎縮に関連する遺伝子発現がICE マウスにおいて変化していることが明らかになった。さらに、遺伝子発現だけでなくTtn、Tnnt3、Nebなど筋形成に重要な遺伝子のmRNAスプライシングが老化 に伴って減少するだけでなく、ICEマウスの筋肉でスプライシング異常が生じていることが確認された。このことは、DNA損傷が多様な幹細胞制御に老化において 関わっていることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢に伴って筋力と筋肉量が低下してサルコペニアを発症する。世界的に5億人がサルコペニアを発症し、その分子機序が不明なため治療薬が存在しない。ICEマウスはDNA損傷依存的老化誘導と、サルコペニアの表現を観察することが出来る。本研究からICEマウスにおいて老化において観察されるPax7遺伝子の低下と、筋肉機能や構成に重要なMyh9やMyl4などの遺伝子発現低下が確認された。さらに遺伝子発現だけではタンパク質として機能しているか不明であるが、Ttn、Tnnt3、Nebなどの筋肉分化、機能に必須の遺伝子のスプライシング異常が確認され、加齢における筋力低下の分子機序の重要な知見となることが期待される。
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