研究課題/領域番号 |
19K16626
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鬼塚 陽子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30710058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Trypanosoma cruzi / オートファジー / SNARE / SNARE 複合体 / SNARE複合体 / シャーガス病 / 宿主応答 |
研究開始時の研究の概要 |
シャーガス病の原因となるTrypanosoma cruziには、宿主防御反応を回避し、自らが生き残る機構が存在するという仮説を立て、宿主の病原体排除機構「オートファジー」に着目した。これまでに、原虫感染細胞では宿主オートファジーが抑制され、特にオートリソソーム形成が進行しないことを明らかにした。そこで、オートリソソーム形成に関わるSNARE 複合体 (Stx17, VAMP8, SNAP29) に焦点をあて、複合体と相互作用する因子を探索する。その機能を in vitro、in vivo の実験系を用いて解析し、原虫感染率、病態に対する影響を評価する。
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研究実績の概要 |
クルーズトリパノソーマ (Trypanosoma cruzi, T. cruzi) は、中南米で流行しているシャーガス病の原因となる細胞内寄生原虫である。この原虫の細胞内分裂増殖機構や病態形成メカニズムは不明な点が多く、原虫は宿主防御反応に対する回避システムを利用することで、生き延びていると考えられる。宿主の応答の一つとして細胞内タンパク質分解機構のオートファジーが挙げられる。この機構は小胞体から隔離膜が伸長し、不要物を包み込んだオートファゴソームを形成後、リソソームと融合することでオートリソソームとなり、内容物を加水分解する。これまでに、T. cruzi 感染細胞において、宿主オートファジーの初期過程は活性化するが、オートファジーは完了せず、原虫は増殖・生存することを明らかにした。特にオートリソソーム形成が抑制されていることから、本研究ではオートリソソーム形成に関わるSNARE 複合体(syntaxin17: stx17, Vesicle-associated membraneprotein 8: VAMP8, Synaptosomal-associated protein of 29 kDa: SNAP29) に焦点をあて、T. cruzi 感染による宿主オートリソソーム形成抑制機構を明らかにする。 T. cruzi 感染細胞において、stx17 タンパク質発現量が減少し、オートファゴソームへの局在も減少した。そこで、stx17 と相互作用する因子を探索するために原虫感染細胞ライセートを用いたpull down assay を行い、LC-MS/MS によるプロテオーム解析を行なったところ、いくつかの原虫側因子が同定された。現在、これら因子の解析のため、CRISPR/Cas9 法を用い、ノックアウト(KO) 原虫の樹立を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究活動に支障が生じたことから、研究は当初の計画より遅れている。KO原虫を作出し解析を進める予定であったが、樹立まで至らなかったため、遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
同定された原虫側の候補因子に焦点を当て、申請内容に沿い実験を遂行する。作製したT. cruzi の候補因子の抗体を用いてpull down assay を行い、他に同定された候補因子についても解析を進めつつ、CRISPR/Cas9 法を用いたKO 原虫の樹立を進める。KO 原虫を樹立後は、原虫の増殖率、宿主細胞への感染率およびStx17の局在変化、オートリソソーム形成の有無を顕微鏡下で観察し、原虫側因子の機能解析を進める。
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