研究課題/領域番号 |
19K16633
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
草田 裕之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (00827537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多剤耐性菌 / 抗生物質耐性 / 微生物間コミュニケーション / 新生物機能 / 酵素 / メタゲノム / 組換え大腸菌 / 微生物間相互作用 / 細菌間コミュニケーション機構 |
研究開始時の研究の概要 |
提案者は、抗生物質がAHL (細菌間コミュニケーション機構を媒介するシグナル物質)と構造的・機能的に類似する点に着目し、「β-ラクタマーゼは多剤耐性能だけではなく、AHLシグナルの分解により細菌間コミュニケーション機構の遮断にも寄与する」という独自の仮説を立てた。この仮説を証明するため、本研究では、AHLシグナルをも分解する新規なβ-ラクタマーゼを多剤耐性菌から単離し、その酵素機能を徹底的に解明する。本研究が達成された暁には、β-ラクタマーゼの未知機能の解明により抗生物質耐性に対する既成概念が大きく変わると共に、多剤耐性菌の検出や制御技術の開発に資する新たな学術的知見の獲得が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、世界中の医療現場で近年問題となっている多剤耐性病原菌の抗生物質耐性機構を司る鍵酵素β-ラクタマーゼの未だ知られざる新機能を明らかにするとともに、本酵素の新たな生理生態学的機能の解明を目指して研究を実施した。具体的には、多剤耐性能と微生物間コミュニケーション機構の遮断という一見すると全く異なる微生物機能に対して同時に寄与する両機能性β-ラクタマーゼを発見し、その酵素学的諸性質や基質特性決定に関わる分子メカニズムの一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで抗生物質耐性という視点でのみ研究が進められてきたβ-ラクタマーゼの未知なる生物機能を微生物間コミュニケーション機構の遮断という独自の視点から紐解いた点に学術的意義がある。また、抗生物質耐性能と微生物間コミュニケーション機構の遮断という2つの重要な微生物機能に寄与する両機能性β-ラクタマーゼを発見したことで、近年世界中で問題となっている多剤耐性菌の更なる理解やそれらの制御に繋がる新たな洞察をもたらす成果である。
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