研究課題/領域番号 |
19K16636
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
満仲 翔一 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (10836406)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | バクテリオファージ / 合成生物学 / 遺伝子組換え |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に薬剤耐性細菌が蔓延している中、その解決策として細菌に感染するウイルスであるバクテリオファージを用いた「ファージセラピー」が注目されている。しかし、ファージは宿主細菌が存在する限り増殖し続けてしまい、ヒトに対して予期せぬ副作用を引き起こす危険性がある。 本研究は、危険性を排除するために、再感染することができないファージ「非増殖性ファージ」の創出法の開発を目的とする。また、殺菌性評価とマウスの細菌感染モデルに対するファージセラピーを実施し、非増殖性ファージの有用性を実証する。
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研究実績の概要 |
昨年度は、非増殖性ファージの社会実装に向けて、モデルファージに限らず、多くのファージ種を改変するためのプラットフォーム技術「ファージ合成改変技術」の確立を目指した。この技術の流れは、1) ファージゲノムを構築するためのDNA断片を増幅する。この時、各断片の両末端に隣の断片の末端30 bpの相同配列が付加されるようにプライマーを設計する。2) 各断片を混ぜ、インビトロアセンブリシステムを利用してファージゲノムを構築する。3) 構築したファージゲノムをエレクトロポレーションで宿主細菌に導入し、ファージを創出する。この技術はイーストプラットフォームと同様に、不要な遺伝子の除去や機能性遺伝子の搭載など複数の改変を一度に施すことができる。また、ファージ創出までの時間も短くて済む。実際にこの技術を利用して、大腸菌ファージT3及びλ、サルモネラファージP22、シュードモナスファージgh-1、抗酸菌ファージD29、B1及びGS4Eを創出・改変することができた。また、データベースに登録されている配列を基に化学合成されたDNAから、抗酸菌ファージTM4を創出することにも成功した。これらの結果は、我々が確立したファージ合成改変技術は汎用性が高く、様々なファージ種に適用できることを示している。 ファージ合成改変技術の確立、非増殖性ファージ創出技術の開発及びマウス敗血症モデルに対するファージセラピー実験の結果までをまとめ、論文公表した。(PNAS, DOI: 10.1073/pnas.2206739119)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文が受理されるまでに想定以上に時間がかかったが、おおむね予定通り進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
今後はモデルファージに限らず、多くのファージ種から改変型かつ非増殖性のファージを創出し、様々な細菌感染症に対する改変型ファージセラピーの有用性を検証していきたい。
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