研究課題/領域番号 |
19K16640
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 壇 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (30585849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カルバペネム耐性菌 / OXA型カルバペネマーゼ産生菌 / タイ王国 / OXA型カルバペネマーゼ / OXA-181型カルバペネマーゼ / 菌のクローナルな拡散 / 低いプラスミド伝播能 / 外膜ポリン遺伝子 / 全ゲノム解析 / 前向き疫学研究 / カルバペネマーゼ / 外膜ポーリン / OXA型酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
カルバペネム系抗菌薬への耐性を獲得したカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌が世界的に蔓延し、その多剤耐性化が問題となっている。酵素型の一つであるOXA型は、特に東南アジアを中心に広がっている。 タイ由来Klebsiella pneumoniae臨床分離株を用いたこれまでの解析から、OXA型酵素を産生する株は独自の遺伝的背景を持つことが分かっている。本研究では、次世代シークエンサーを用いた染色体の配列比較を行い、OXA型産生菌の蔓延に関与する要因を明らかにする。また、既に特異性が示唆されている外膜ポーリンについてゲノム解析および透過率解析を行い、薬剤耐性度がその蔓延に与える影響について考察する。
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研究成果の概要 |
細菌感染症の治療において抗菌薬は中心的役割を果たしている。その中でもカルバペネム系抗菌薬は重症感染症において使用される切り札的存在である。近年同抗菌薬に耐性を示すカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌が蔓延し世界的な問題となっている。 カルバペネマーゼはカルバペネム系抗菌薬の分解酵素であり複数の酵素型が知られている。私はタイ国におけるOXA型カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌の蔓延様式を研究してきた。その結果、OXA型カルバペネマーゼ産生菌の蔓延は分裂増殖と環境中における菌体の伝播が主要因である事、他菌との間でOXA型酵素遺伝子のやり取りをほとんどしない事、などを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、OXA型カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌の主な蔓延様式が菌体の増殖と環境中における伝播である事が明らかとなった。蔓延範囲が複数の地域をまたいでいる事を考慮するとヒトや物を介した移動で広がっている事が推測されるとともに、同菌の環境中における生存能力の高さを窺い知る結果となった。この事は、タイ国における耐性菌蔓延防止策として入院時スクリーニングなどが効果を発揮する可能性を示している。また同国を含む東南アジア地域と密接な関係にある日本にもOXA型カルバペネマーゼ産生菌が流入する危険性があり、継続した耐性菌モニタリングの必要性を確認した。
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