研究課題/領域番号 |
19K16645
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平山 達朗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (40836269)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カンジダ / トランスロケーション / マウスモデル / ERG3 / Candida albicans / candida / 腸管 / 定着 / 病原性 / candida albicans / エルゴステロール / colonization / Candida glabrata / Candida / translocation |
研究開始時の研究の概要 |
カンジダの血流感染の経路の一つとして、腸管からのトランスロケーションが重要である。播種性カンジダ血症マウスモデルはカンジダ血症の病態や治療法の解析に有用であるが、その多くは経静脈的に菌を投与するモデルであり、トランスロケーションマウスモデルを使用した研究は少ない。 これまでの研究でカンジダ属の病原性評価に適したトランスロケーションマウスモデルを作製し、菌種によって腸管への定着能や血流への侵入門戸や機序が異なる可能性を考えている。 本研究では、カンジダに対する生体の腸管免疫応答について、トランスロケーションマウスモデルとカンジダの臨床分離株および遺伝子変異株を用いて解明する。
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研究成果の概要 |
トランスロケーションマウスモデルを用いて、Candida6菌種の病原性を評価した研究結果を報告した。モデルの確立後は、腸管における宿主免疫応答のメカニズムや、菌側の定着及び組織侵襲に必要とする因子の解明を進めた。Candida albicanにおいて、ERG3によってコードされるsterol C5,6-desaturaseの欠損は細胞膜の主成分であるエルゴステロールの合成経路に変化をきたしアゾール系抗真菌薬に耐性を誘導すると考えられている。erg3欠損株の腸管における定着および病原性を検討し、C. albicansはステロール成分の変化により腸管における病原性が低下することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で用いたマウスモデルは、Candidaの腸内コロニー形成と播種に関する複雑な関係をより深く理解し、侵襲性真菌感染症に対する予防療法の改善を促進する手段となることが期待される。Candidaの病原性因子として、接着、糸状化、酵素産生、ストレス応答など様々なものが同定されているが、感染過程の各段階におけるそれらの相対的重要性はまだ十分に解明されてはいない。遺伝子変異株や臨床分離株を用いることで、腸内コロニー形成、腸管壁への侵入、その後の血流への侵入や播種に対する様々な因子の寄与を、個々のマウスで評価することができ、侵襲性カンジダ症の発症過程を明らかにする上で有用であると考えられる。
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