研究課題/領域番号 |
19K16650
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
並川 浩己 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60813417)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高病原性肺炎桿菌 / RFP / rpoB / magA / rmpA / hvKp / リファンピシン / 肺炎桿菌 / 高粘稠性 |
研究開始時の研究の概要 |
Hypermucoviscous Klebsiella pneumoniae(hvKP)の高病原性には、菌体外多糖から成る粘性物質の関与が指摘されている。リファンピシン(RFP)に粘性物質を抑制する作用があることを発見したが、in vivoにおける作用や作用メカニズムに関しては未だ不明な点が多い。本研究では、①hvKP感染マウスに対するRFPの有用性②RFPの有無におけるhvKP株の分子レベルでの機能解析の検証を行う。 本研究が達成されれば、hvKPの高病原性抑制に対して、RFPの有用性が初めて明確になり、hvKP感染症に対する治療戦略の確立にむけた研究が大きく前進するものと期待される。
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研究成果の概要 |
高病原性肺炎桿菌をRFPを含む培地で培養し、耐性変異株を5株取得し実験を行った。(1) 野生株と変異株のRFPによる粘性抑制度を比較した。(2) RFP耐性株の変異rpoBを野生型rpoBに置換し、粘性抑制度が野生株と同程度に戻るかを検証した。さらにmagAとrmpAの転写量や莢膜の厚さの変化も評価した。 RFPに対する感受性は、変異株は生育阻害だけでなく、粘性抑制も受けにくいことが示された。RFP耐性株のrpoBを野生型のrpoBに置換したところ、粘性抑制への感受性が野生株と同等にまで戻ることが確認された。magAとrmpAの転写量および莢膜の厚さは、粘性レベルと相関していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RFPの粘性抑制作用はrpoBの機能抑制を介して生じるという仮説が強く裏付けられた。このことから難治性hvKP感染症に対する新たなる治療戦略の確立に向けてまた一歩前進したと考える。しかしながら、その作用機序やin vivoでの効果については、まだ多くの疑問が残されている。今後、さらに詳細な反応機構を解明し、RFPのユニークで有用な活性を利用した抗菌療法を開発することが必要である。
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