研究課題/領域番号 |
19K16655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
田島 寛隆 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (40642468)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 走化性 / シグナル認識 / 発現制御 / シグナル伝達 / 貧栄養 / 発現調節 / コレラ菌 / 走化性受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
コレラ菌の走化性は、菌の感染や病原性と密接に関連している。走化性の解析が進んでいる大腸菌と異なり、コレラ菌は多くの走化性受容体ホモログ (MLPs)をもつ。しかし、多くのMLPsの機能や使い分けについては判明していない。本研究では、MLPsの機能と遺伝子発現調節機構の解明を主題とする。特に、ヒト体内に近い条件で発現が誘導されるMLPを特定し、リガンドを同定することで、走化性と病原性の関連を分子レベルで理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,コレラ菌V. choleraeの誘引物質を複数,新たに見出した.また,いくつかの誘引物質については,それを感知するMLPを同定した.Mlp2は,糖新生の基質であるピルビン酸およびオキサロ酢酸を結合し,誘引応答を媒介した.またMlp2はセリンも感知するが,結合はしなかった.Mlp2のリガンド認識については投稿準備中である.また,腸内で豊富なある物質が誘引物質であることを新奇に見出しており,感染との関連が推定される.さらに,コレラ菌の忌避物質はこれまでフェノールのみが知られていたが,あるアミノ酸に対して忌避応答を示すことを新たに見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では糖新生の基質や,腸内に豊富に存在する物質にコレラ菌が誘引応答を示すことを見出した.コレラ菌の走化性は,病原性発現と密接に関連していることが知られており,そのメカニズム解明が期待できる. これらの物質の感知に関わると同定したMLPは,これまでに報告されている走化性受容体と異なる.これらのMLPを精査し,すでに知られているものと比較することで,コレラ菌の複雑な走化性メカニズムの理解を進めることができるであろう. また,本研究で新たに忌避物質として見出したアミノ酸はこれまでに知られていたフェノールより毒性が低いと考えられ,コレラ菌の走化性,ひいては感染メカニズム解明の促進が期待できる.
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