研究課題/領域番号 |
19K16657
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
蓮沼 裕也 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (70643013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ESBL産生菌 / floR / qnr / AMR / β-ラクタマーゼ / 薬剤耐性菌 / 地域サーベイランス / floR遺伝子 / qnr遺伝子 / 大腸菌 / 次世代シークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
抗菌薬耐性菌対策はWHOが提唱する「One world, One Health」のなかでより優先すべき事項の中の1つとして挙げられており、ヒトへの薬剤耐性菌の拡散は動物や環境からも生じていると言われている。本研究では家畜によく用いられる抗菌薬に対する薬剤耐性遺伝子に着目し、ヒト臨床分離株におけるその保有状況とヒトの感染症治療に影響を及ぼす薬剤耐性遺伝子との関係性を分子疫学的に明らかにしていく。そして、家畜からヒトへ薬剤耐性菌が拡散したことを示唆する耐性遺伝子マーカーを証明することにより、新たな薬剤耐性菌拡散の分子生物学的背景をモニタリングできる可能性があり、その制御方法へと繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
薬剤耐性菌は世界的な脅威となっている。特に、患者から分離される薬剤耐性菌の中には、家畜や環境から流入していると思われる薬剤耐性遺伝子がある。本研究では、家畜に用いられるフロルフェニコールに対する耐性遺伝子であるfloRに着目した。floR検出率は、臨床分離、食肉由来および健常人由来ESBL産生大腸菌においてそれぞれ1.5%、6.4%、および2.9%であった。さらに、市販食肉由来株が保有するプラスミドは高い接合伝達能力を有した。 加えて、floRと同時に保有していたqnr遺伝子について保有率を調査した。ESBL非産生およびESBL産生大腸菌の保有率は、それぞれ2%および4%で、全てqnrSだった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、家畜からヒトへ薬剤耐性菌が拡散したことを示唆する耐性遺伝子マーカーとしてfloR遺伝子を提案することができたと考える。この成果は、ヒト環境における薬剤耐性遺伝子流入経路の一つを明らかにすることにつながり、新たな薬剤耐性菌拡散の分子生物学的背景をモニタリングできる可能性がある。このことは、薬剤耐性菌の拡散を制御するための新たな方法へと繋がると考えられ、さらには、将来的に薬剤耐性菌による感染症の減少、患者入院期間の短縮、医療費の削減にも貢献する。
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