研究課題/領域番号 |
19K16658
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
大瀧 博文 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00733172)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Escherichia coli / 薬剤耐性菌 / ST1193 / O抗原 / パンデミッククローン / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)の産生に加えキノロン系薬にも耐性を示す大腸菌が世界的なパンデミッククローン(O25・ST131)として以前より注目されており、これまでにその詳細が研究されてきた。今回、われわれの研究グループは先行研究として、血流感染を引き起こした大腸菌における薬剤耐性因子と病原因子のスクリーニングを実施したところ、O25・ST131と類似した性質をもつ他のO抗原型(O75)の大腸菌を検出した。そして、わが国において、このクローンを含めた新規パンデミッククローンの研究報告は無く、これらの詳細な解析は今後の大腸菌感染症対策において極めて有益な知見になると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は血流感染症関連Escherichia coliの424株を用いてO25・ST131クローンとO75・ST1193クローンを中心に,ESBL産生株,キノロン耐性株の占める割合およびそれらの遺伝学的背景を調査した。特に,O75・ST1193クローンは検出した全株でキノロン耐性を認め,O25・ST131クローンに次ぐ流行クローンになる可能性が推察された。これまでO75・ST1193クローンを対象とした解析は少なく,今後の疫学に大きく寄与するデータと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでE. coliのパンデミッククローンの解析はESBL産生菌、特に、O25・ST131クローンに関して盛んに行われてきた。今後のパンデミッククローンの移り変わりを明確に推測することは困難であるが、何らかの薬剤耐性を保有しているクローンは抗菌薬の選択を受けやすいため新規パンデミッククローンの候補としての可能性を秘めているものと思われる。今回着目したO75・ST1193クローンは現時点で感染症例に占める割合は顕著とは言えないが、キノロン系抗菌薬に対して全株で耐性を示したため、引き続き注視すべき対象と考えられる。今後の耐性菌の流行を予測するうえでも、学術的、社会的意義は大きいと言える。
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