研究課題/領域番号 |
19K16659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
栗原 悠介 福岡大学, 医学部, 講師 (30747192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肺炎クラミジア / ミトコンドリア / マイトファジー / ミトコンドリア形態 / クラミジア |
研究開始時の研究の概要 |
本申請の目的は、ミトコンドリアの形態を利用した肺炎クラミジアの感染戦略を解明す る事である。具体的に、ミトコンドリアの形態変化という視点から、①クラミジアのマクロファージへの持続的な感染メカニズム、②クラミジア感染マクロファージの脂肪蓄積(泡沫化)メカニズムという2つのプロセスの解明を試みる。これらの機序の解明は、クラミジア感染症の病態解明のみならず、他の細胞内寄生体によるミトコンドリアを介した感染戦略の理解に重要な情報を提供する。
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研究成果の概要 |
クラミジアを含む細胞内寄生体は、宿主細胞内で増殖するために、巧みな生存戦略を持つ。宿主の細胞小器官を利用することも戦略の1つであり、特に多くの機能を兼ね備えるミトコンドリアは格好のターゲットとなる。本申請の目的は、ミトコンドリアの形態を利用した肺炎クラミジアの感染戦略を解明する事である。この目的に対し、動脈硬化発症に重要なプロセスと考えられている、マクロファージへの持続的な感染の機序に焦点を当てた。研究期間内の実験結果から、肺炎クラミジアによるマクロファージへの持続的な感染には、宿主ミトコンドリアの分裂、およびミトコンドリアの分解(マイトファジー)のプロセスが必要であることが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎クラミジアなどの細胞内寄生体は動脈硬化症との関連が指摘されており、特に、粥状動脈硬化症の硬化部位においては約50~60%の確率で検出される。また、細胞内寄生体による動脈硬化発症には、マクロファージへの持続的な感染、および感染マクロファージの脂肪蓄積が重要なプロセスと考えられているが、これらの現象の分子メカニズムと動脈硬化症との関連性にも不明な点が多く、詳細な解析が求められる。本研究成果によって、肺炎クラミジアによるマクロファージへの持続感染の機序の一部が明らかになった。本成果が、肺炎クラミジア感染が一因と考えられる粥状動脈硬化症の予防および治療法開発の一助になることを期待している。
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