研究課題/領域番号 |
19K16664
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 大翔 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10779333)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ヒトサイトメガロウイルス / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は、世界の殆どの人が感染しており、とくに免疫不全の患者で致死的な感染症を引き起こすことが臨床的に問題となっている。本研究では、HCMVに対する自然免疫認識の詳細な分子機構を明らかにすることで、自然免疫賦活によるHCMV感染制御への応用に貢献できる分子基盤を見出すことを目的とする。特に、HCMV感染で誘導されるインターフェロン(IFN)応答に関わる細胞内自然免疫センサー下流のシグナル伝達経路に着目し、申請者が最近見出した宿主キナーゼによるシグナル調節メカニズムを詳細に解析する。
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研究成果の概要 |
世界の殆どの人が感染しており、とくに免疫不全の患者で致死的な感染症を引き起こすことが臨床的に問題となっているヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対する宿主の自然免疫応答とその調節機構を探索した。その結果、HCMV粒子中に存在する構造タンパク質が宿主のセンサー分子に認識されることでインターフェロンを誘導する免疫シグナル経路が活性化することを見出した。さらにそれに加え、その構造タンパク質が宿主のキナーゼによりリン酸化されると、その免疫応答が減少することが明らかとなった。この知見から、このキナーゼ活性を阻害することは、HCMV感染症を制御するための有用なアプローチとなる可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、いまだほとんど明らかにされていないヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染時に活性化される自然免疫応答を明らかにすること目的とした。その結果、これまでに知られていない、ウイルス由来のタンパク質を認識するという自然免疫応答活性化の新たな分子機構を見出した。さらにその免疫応答の抑制因子としてあるキナーゼを同定し、そのキナーゼを抑制することでHCMV増殖が抑制された。HCMV感染症に対してこれまで抗ウイルス薬で治療されてきたが、耐性ウイルスの存在も懸念されており、本研究で見出したキナーゼに着目した免疫学的な手法という、宿主タンパク質を標的とするという新たな感染症克服の可能性を提示した。
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