研究課題/領域番号 |
19K16679
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
野村 拓志 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (80711001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SIV / HIV / CTL / 複製制御 / サルエイズモデル / 交差反応性 / 免疫ドミナンシー |
研究開始時の研究の概要 |
HIV感染症の自然感染では、宿主の獲得免疫によってその複製の制御には至らず持続感染が成立する。複製制御を可能ならしめる機序の解明はHIV感染症の制圧のために重要である。初期複製制御に最大の役割と果たすとみられるドミナント(主要)CTL反応の詳細な解析は。長期複製制御群では行われていない。本研究では二つの異なる病態進行を示す長期SIV複製制御サル群の凍結サンプルを用いて、経時的なSIV特異的ドミナントCTLの野生型抗原および変異型抗原に対する交差反応性を解析し、複製制御に関わるSIV特異的ドミナントCTL反応の誘導動態を検討する。
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研究成果の概要 |
MHC-Iハプロタイプ90-120-Ia共有SIV複製制御サルにおいて、エピトープ特異的CD8陽性T細胞の交差反応性を解析した。SIV長期複製制御サルはCTL逃避変異の選択がすすんでおらず複製制御の状態がよいN群と、CTL逃避変異の選択が緩徐ながら進行しのちに一部の個体で複製制御が破綻するM群に区分される。N群の多くでは感染後に広範な反応性を示す主要CTLがみられたのに対し、M群ではみられなかった。このようなCTLドミナンスがN群における安定した持続複製制御維持と、M群における複製制御下での逃避変異蓄積の原因となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では世界的に前例のないCTL依存的な長期SIV複製制御個体を用い、複製制御維持に必要なCTL反応の性質と、CTL依存的な複製制御下での低レベルのウイルス複製および変異選択の性質を部分的に解明した。これらは長期SIV複製制御維持にかかわるウイルス特異的CTL反応と体内ウイルス排除への新たな有用な知見であり、基礎研究として将来的なHIV感染症の制圧に寄与する成果である。
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