研究課題/領域番号 |
19K16685
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 亮太 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90779703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TLR / 自然免疫 / ウイルス学 / 代謝免疫学 / ウイルス / 脂質代謝 / Immunometabolism / HSV |
研究開始時の研究の概要 |
代謝と免疫応答は密接に関わっており、その連携基盤の解明は重要な課題である。我々は、これ までに代謝センサーmTORの複合体であるmTORC2が自然免疫受容体TLR3の応答制御機構のマスター遺伝子であることを示した。しかし、mTORC2は何を認識するのか不明瞭であった。申請者の予備的結果により、mTORC2が脂肪酸を認識することでTLR3応答を制御していることが示唆された。本研究ではTLR3応答をアウトプットにすることでmTORC2が脂質センサーであることを検証し、細胞生存に必要な代謝物である脂肪酸がmTORC2を通して免疫応答の許容または禁止を制御するという新たなスキームを確立する。
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研究成果の概要 |
mTORはmTORC1、mTORC2の2つの複合体を形成している。そのうちmTORC2は申請者の先行研究によりmTORC2とTLR3応答の連携が明らかになったが、依然としてmTORC2の代謝センサーとしての役割は不明であった。 申請者らは、gRNAライブラリースクリーニングにより脂肪酸合成経路関連分子が候補として得た。これらのノックアウト細胞において、TLR3応答が減弱された。脂肪酸の除去によって、TLR3リガンドpoly(I:C)刺激によるTLR3の細胞内移行が低下すること、脂肪酸添加によって回復することを確認した。このことから脂肪酸をmTORC2がセンスしている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、mTORC2が脂肪酸のセンサーとしての役割を果たすことがわかった。また、mTORC2が脂肪酸の量をモニターし、十分であれば免疫応答を許容し、不十分であれば免疫応答を禁止し、代謝応答を促進し脂肪酸を作るというスキームを示せた。これは、mTORC2が免疫応答のバランスを制御するオペレーターの役割を果たす「Immuno-metabolism」の新たなモデルとなる。
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