研究課題/領域番号 |
19K16686
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
新井 洋平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40824339)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | WNK / マクロファージ / サイトカイン / 敗血症 / WNKシグナル / WNK1 |
研究開始時の研究の概要 |
塩分の過剰摂取は血圧のみならず免疫機構にも影響を及ぼす。 近年腎臓の塩分排泄を担う分子機構が免疫細胞の機能も直接制御することが報告された。申請者が関わってきたWith-no-lysine kinase (WNK)シグナルは腎外組織でも多彩な機能があるが、免疫細胞における役割は不明である。 本研究ではマクロファージにおけるWNK1の機能とその制御機構を解明する。申請者はすでに、WNK1がリポ多糖(LPS)誘導性の炎症性サイトカイン産生を抑制することを発見しており、マイクロアレイやリン酸化プロテオミクスを用いてWNK1とサイトカイン産生をつなぐ新たな免疫機構のシグナル解明を進める。
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研究成果の概要 |
塩分排泄を制御する遺伝子群が塩分制御とは独立して免疫系も制御していることが明らかになってきたが、塩分排泄を担う中心的分子の一つであるWNKキナーゼ(With-no-lysine kinase)が生体において免疫機構をどのように制御するのかは不明であった。本研究では、①マクロファージにおいてWNK1がLPS刺激で誘導されること、②生体においてWNK1の抑制によりLPS誘導性の炎症性サイトカイン分泌が亢進すること、③マクロファージにおけるWNK1-TAK1シグナル伝達経路がLPS誘導性の炎症性サイトカイン産生においてnegative feedback機構として働く新たな分子機構であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体の防御機構として働く炎症シグナルが何らかの原因で亢進してサイトカインが過剰に産生されると、致死的なサイトカインストームという病態が引き起こされるが、この病態に対する根本的な治療法は確立されていない。本研究は、WNKキナーゼという新たな視点からWNK1-TAK1シグナル伝達経路が、生体においてもLPS誘導性の炎症シグナルのnegative feedback機構として働く新たな分子機構であることを明らかにした。今後さらなる研究によってWNK1-TAK1シグナル伝達経路をターゲットとした新たな治療戦略を提案することを目指していきたい。
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