研究課題
若手研究
免疫不全マウスに、腫瘍を皮下移植しその後運動負荷群とコントロール群にわけ、腫瘍内に腫瘍抗原に特異的なTCR及びLuciferase酵素を発現させたT細胞を投与する。腫瘍進展、T細胞の動態、体重、筋肉量、骨量、体温、摂食状態等を観察し、また腫瘍内のT細胞の遺伝子変化を観察する事で、運動によるT細胞活性を変化させる因子の抽出を行っていく。それに平行し、筋肉、神経への各種刺激を行い、運動の一部を代替できる刺激方法を模索していく。運動で変化する、免疫状態変化因子を抽出し、その因子を最も変化させる運動代替刺激法を確立する事で、運動免疫効果を発揮する新規免疫行動療法を開発する。
運動は、個体の体内での免疫細胞動態を変化させる可能性がある事が示唆されており、運動と免疫の関連を研究する事で、新たな免疫治療のターゲットを探索出来ると考えられる。本研究では、担癌マウスモデルにおいて、運動併用による免疫細胞療法の効果への影響を解析する事で、細胞動態の調整メカニズムの探索を行った。運動により、腫瘍増大が抑制される実験系を構築することに成功し、長時間の持続的な運動より、インターバルを挟んで短時間運動を複数回させる方がより効果が高い事が示唆された。さらに、筋肉の電気刺激によっても、腫瘍位置によっては、腫瘍抑制効果を観察出来る事が確認された。
本研究の結果は、養子免疫療法において、運動等の外的刺激により、治療効果を改善する事が可能である事を意味しており、今後の免疫療法における新しい介入手段となる事が期待出来る。薬剤ではない、新しい手法であるため、既存の治療法との併用が容易である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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