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S100A11-RAGEシグナルを標的とした膵臓がん微小環境の解析とその治療

研究課題

研究課題/領域番号 19K16714
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

山本 健一  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00711798)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードS100A11 / RAGE / 間質線維芽細胞 / 線維化 / 膵臓がん / 線維芽細胞 / p70S6K / PGE2 / PEG2 / TPL2 / COX2 / がん感化型線維芽細胞
研究開始時の研究の概要

本研究ではがん細胞とその周囲にある線維芽細胞とのクロストークを主としたがん微小環境の解析を行う。この解析は独自に発見したS100A11-RAGEを基軸として進め、がん感化型線維芽細胞から分泌されるがん悪性化因子を同定し、膵臓がん周囲の微小環境下で起きる現象を解き明かすことを目的とする。また、このがん悪性化機構に対し、独自で作製した抗RAGE抗体を用いて腫瘍周囲の線維化の抑制と抗腫瘍効果、抗がん剤治療との併用の検証を行う。

研究成果の概要

本研究では、膵臓がん進展に重要な間質線維芽細胞の線維化を伴う増殖メカニズムと、がん細胞とのクロストーク機構によるがん細胞の浸潤・転移亢進メカニズムを解明することを目標に研究を行なった。
膵臓がん細胞から分泌されるS100A11は受容体であるRAGEを介して下流のp70S6kinaseを活性化することで間質線維芽細胞の増殖を促進させていた。また、この増殖シグナルとは別に間質線維芽細胞のTPL2が活性化することでPEG2が分泌され、がん細胞の浸潤・転移を亢進させていた。これら結果より、S100A11を介した膵臓がん細胞と周囲間質線維芽細胞とのクロストークによるがん悪性化機構の一旦が明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

がんの増殖・浸潤・転移には多くの要因が関係しており、近年ではがん周囲の間質細胞が積極的に関与することが報告されている。特に膵臓がんでは間質細胞の増加を伴う事で治療が難しくなるなどの影響も見られ、間質細胞とがんの関係を明らかにすることはがんの病態解明、新たな治療方法の開発を目指す上でも重要である。
本研究により、膵臓がん細胞から分泌されるS100A11はRAGEを介してがん周囲の間質線維芽細胞に作用してその増殖を促進させること、またPEG2を分泌することでがん細胞の浸潤・転移を促進させることが明らかとなった。これら知見ががん微小環境内コミュニケーションへのより深い理解へと繋がることが期待される。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Extracellular S100A11 plays a critical role in spread of the fibroblast population in pancreatic cancers2019

    • 著者名/発表者名
      Takamatsu H, Yamamoto K, Tomonobu N, Murata H, Inoue Y, Yamauchi A, Sumardika W, Youyi C, Kinoshita R, Yamamura M, Fujiwara H, Mitsui Y, Araki K, Futami J, Saito K, Iioka H, Ruma MW, Putranto EW, Nishibori M, Kondo E, Yamamoto Y, Toyooka S, Sakaguchi M
    • 雑誌名

      Oncol Res

      巻: - 号: 6 ページ: 713-727

    • DOI

      10.3727/096504018x15433161908259

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Upregulation of Mobility in Pancreatic Cancer Cells by Secreted S100A11 Through Activation of Surrounding Fibroblasts2019

    • 著者名/発表者名
      Mitsui Yosuke、Tomonobu Nahoko、Watanabe Masami、Kinoshita Rie、Sumardika I Wayan、Youyi Chen、Murata Hitoshi et al.
    • 雑誌名

      Oncology Research Featuring Preclinical and Clinical Cancer Therapeutics

      巻: 27 号: 8 ページ: 945-956

    • DOI

      10.3727/096504019x15555408784978

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 膵臓がんにおける腫瘍周囲微小環境機構の解析2019

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Yamamoto
    • 学会等名
      先端モデル動物支援プラットフォーム 若手支援技術講習会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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