in silico解析で同定した胃癌新規癌遺伝子の生物学的意義と臨床的意義

• 研究課題/領域番号: 19K16718
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分50010:腫瘍生物学関連
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 胡 慶江 九州大学, 大学病院, 助教 (80792902)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円); 2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 胃癌 / 腫瘍学 / CYT / LOXL1 / OSBPL3 / 免疫チェックポイント / 癌遺伝子 / 腫瘍局所環境 / 増殖能 / 細胞周期 / RRAS / RNA-seq / in silico解析 / Xenograft mouse / 新規癌遺伝子 / 新規治療標的 / NGS解析

研究開始時の研究の概要

主に初年度でOSBPL3の遺伝子操作を行い、OSBPL3の表現型を明らかにする。複数の胃癌細胞株でOSBPL3の過剰発現細胞株とノックアウト細胞株を樹立し、癌進展に必要な増殖能、 遊走能、浸潤能を評価する。複数の系で実験を行い、細胞周期および細胞死との関連も合わせて検討する。また当院の胃癌組織を用いて免疫染色し、OSBPL3の臨床的意義を明らかにする。
主に次年度でOSBPL3のメカニズムを検討する。OSBPL3の遺伝子操作細胞株のRNAシーケンスデータを用いてpathway解析を行う。関連するpathwayを実験で検証する。臨床応用研究の橋渡しとしてOSBPL3の阻害薬を同定する。

研究成果の概要

胃癌腹膜播種の責任遺伝子候補としてLOXL1を同定し、論文報告しました。胃癌局所免疫環境を反映するCYT scoreの臨床的意義を明らかにし、論文報告しました。胃癌免疫療法であるニボルマブの稀な有害事象を経験し症例報告しました。さらに胃癌新規責任遺伝子OSBPL3を同定し、その生物学的意義及び臨床的意義を明らかにして論文作成しました。現在投稿中です。

研究成果の学術的意義や社会的意義

胃癌進行の責任遺伝子を同定することで、その根底にあるメカニズムを明らかにし、新たな胃癌の治療法と検査法の開発につながります。胃癌の予後改善に寄与することが予想されます。
また、胃癌における免疫療法が盛んに研究されていますが、その治療効果予測因子が少ない現状です。我々はCYT scoreが胃癌局所免疫を反映することを証明し、免疫療法の治療効果予測因子になりうることを提示しました。これも胃癌の予後改善に寄与することが予想されます。

研究成果

• [雑誌論文] Cytolytic activity score as a biomarker for antitumor immunity and clinical outcome in patients with gastric cancer (2021)
  • 著者名/発表者名: Qingjiang Hu 1 , Kentaro Nonaka 1 , Hiroaki Wakiyama 2 , Yu Miyashita 1 , Yoshiaki Fujimoto 1 , Tomoko Jogo 1 , Kentaro Hokonohara 1 , Ryota Nakanishi 1 , Yuichi Hisamatsu 1 , Koji Ando 1 , Yasue Kimura 1 , Takaaki Masuda 2 , Eiji Oki 1 , Koshi Mimori 2 , Yoshinao Oda 3 , Masaki Mori 1
  • 雑誌名: Cancer Med. 巻: - 号: 9 ページ: 3129-3138
  • DOI: 10.1002/cam4.3828
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Potential association of LOXL1 with peritoneal dissemination in gastric cancer via promotion of EMT (2020)
  • 著者名/発表者名: Hu, Q, Masuda T et al
  • 雑誌名: PloS ONE 巻: 15 号: 10 ページ: e0241140-e0241140
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0241140
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Reintroduction of nivolumab in a patient with gastric cancer after improvement of nivolumab-induced acute interstitial nephritis: a case report (2020)
  • 著者名/発表者名: Qingjiang Hu 1 , Hirofumi Hasuda 1 , Kenji Ueki 2 , Akihiro Tsuchimoto 2 , Yoko Zaitsu 1 , Yasuo Tsuda 1 , Yuichi Hisamatsu 1 , Yuichiro Nakashima 1 , Koji Ando 1 , Yasue Kimura 1 , Eiji Oki 1 , Masaki Mori 1
  • 雑誌名: Int Cancer Conf J. 巻: 9 号: 3 ページ: 127-132
  • DOI: 10.1007/s13691-020-00418-2
  • 査読あり
• [学会発表] 当科での使用経験から見た胃癌に対するニボルマブの臨床意義 (2021)
  • 著者名/発表者名: 蓮田 博文、胡 慶江
  • 学会等名: 第76回消化器外科学会
• [学会発表] LOXL1 is a novel responsible gene for peritoneal dissemination potentially via promoting EMT and motility in gastric cancer (2020)
  • 著者名/発表者名: Qingjiang Hu
  • 学会等名: AACR
  • 国際学会
• [学会発表] Potential association of LOXL1 with peritoneal dissemination in gastric cancer via promotion of EMT (2020)
  • 著者名/発表者名: 胡 慶江
  • 学会等名: 第120回日本外科学会
• [学会発表] LOXL1 is a novel responsible gene for peritoneal dissemination potentially via promoting EMT and motility in gastric cancer (2019)
  • 著者名/発表者名: Qingjiang Hu
  • 学会等名: 7th international Conference of Federation of Asian Clinical Oncology (FACO)
  • 国際学会