研究課題/領域番号 |
19K16727
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
趙 民知 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 研究員 (80808866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 染色体異数体化 / 染色体不安定性 / Aurora Bキナーゼ / non-coding RNA / HP1 / Aneuploidy / Chromosomal instability / Non-coding RNA / CPC / Aurora B kinase / aneuploidy / chromosomal instability |
研究開始時の研究の概要 |
HP1は染色体パッセンジャー複合体(CPC; Chromosomal Passenger Complex)に結合しCPCの活性を増強する。がん細胞ではこのHP1のCPCに結合する量が低下していることが分かったが、HP1によるCPC活性の減少がどのように「染色体不安定性」を発生させ、いかにがんの悪性化に寄与しうるのかは未だに不明である。本研究では、異数体細胞の導入とncRNAの関与を見いだして、染色体不安定性とCPC機能との関係、がん細胞でHP1の結合量が減少する原因を明らかにする。続いてがん幹細胞系列でCPCシステムの破綻とがんの悪性化の関連性を検討し染色体不安定性の病理機構を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
私たちは先行研究で、細胞の正確な染色体の分配を保証する染色体パッセンジャー複合体(CPC)は、HP1との結合でその活性が強化されることと、がん細胞ではCPCに対するHP1の結合量が減少していることを報告した。本研究では、染色体異数体化と転写がHP1のセントロメア集合程度を変化させることを見出し、がん細胞の染色体不安定性獲得機構について新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞分裂期における頻繁な染色体分配の失敗は染色体不安定性と呼ばれ、がんの治療抵抗性や予後と相関する。また、がんの進展とともに多く見られる特徴であることから、このがんの性質に着目した研究成果は、進行がんの診断・治療への応用が強く期待される。本研究によって、正確な染色体分配を維持する染色体パセンジャー複合体(CPC)の機能制御において、染色体異数体化と転写の関連性が見出され、がん細胞の染色体不安定性を引き起こす機構を理解する手がかりとなる知見を得た。
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