研究課題/領域番号 |
19K16734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊地 逸平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (80772376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん / シグナル伝達 / リン酸化 / ゲノム編集 / チロシンキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは近年、核内タンパク質Parafibrominがチロシンリン酸化状態依存的にWnt経路、Hedgehog経路、Notch経路、Hippo経路という発がんに密接に関わる4つのシグナル経路を統合的に制御することを明らかにした。しかし、このParafibrominのリン酸化依存的機能が個体レベルの生命現象に果たす役割は未だ不明である。そこで本研究では、Parafibrominのリン酸化を担うチロシンキナーゼ群を多重欠損させた遺伝子改変マウスを作製・解析することで、Parafibrominのチロシンリン酸化が担う生理的役割ならびにがんに代表される病態への役割解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、発がん関連シグナル伝達経路の統合的制御を司る核内タンパク質Parafibrominの生体内機能に着目し、そのチロシンリン酸化制御を担うPtk6ファミリーキナーゼの三重欠損マウスをCRISPR/Casゲノム編集によって作製した。その結果、Ptk6ファミリーキナーゼによるParafibrominのチロシンリン酸化が腸管上皮の組織恒常性維持に重要な役割を担うことが明らかとなり、さらに炎症性腸疾患や放射線誘導性消化管症候群といったヒトにおける疾患発症への関与が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Ptk6ファミリーキナーゼによるParafibrominのチロシンリン酸化制御は腸管上皮の組織恒常性維持に働くことが示され、さらには炎症性腸疾患や放射線誘導性消化管症候群といった臨床的に重要な意義を持つ疾患の発症に役割を担うことが示された。この成果を足掛かりに、今後はParafibrominのチロシンリン酸化を制御可能な薬剤などをスクリーニングすることで、それらの難治性の疾患に対する新たな治療法の開発につながることが期待できる。
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