研究課題/領域番号 |
19K16739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
武田 真 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50839157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 非アルコール性脂肪肝疾患 / スフィンゴシン1リン酸 / S1PR2 / NAFLD / HCC / S1P |
研究開始時の研究の概要 |
以前の我々の遺伝子網羅的解析で、スフィンゴ脂質代謝物sphingosine-1 phosphate (S1P)の受容体S1PR2 (Sphingosine-1 phospate receptor 2)がNAFLD-HCCで高発現していたことから、”NAFLD-HCCはS1P-S1PR2 経路により細胞増殖を誘導する”という仮説を立てた。現在まで、種々の癌でのS1P-S1PR2経路活性化の報告はあるが(FEBS J 2013)、その詳細な機構およびHCCと同経路の関与示す報告はない。S1P-S1PR2経路を介したHCC悪性形質獲得の詳細な解明は、脂質メディエーターを癌治療標的とする新たな治療展開につながる。
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研究成果の概要 |
ヒト肝細胞癌株(HLE,HepG2,HuH7)のS1PR2発現をwestern blot法で確認した。S1PR2発現はHLE=HepG2>HuH7であった。S1P添加実験ではS1PR2を発現細胞のHLEが有意に増殖し、S1PR2阻害剤:JTE013によりその増殖が抑制された。S1PR2ノックダウンではS1Pによる細胞増殖の抑制を確認した。 オレイン酸(OA)添加時のJTE013添加、S1PR2KDによりOAにより誘導された増殖が抑制された。培養上清液中のS1PはS1PR2KDにより上昇した.NAFLDを背景とするHCCの増殖機構にS1P-S1PR2 pathwayが関与していることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、メタボリックシンドロームに伴う非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を背景とするHCCが増加してきており、その生物学的特徴の解明は急務である。本研究成果は、その生物学的特徴を脂質の観点から解明したものであり、新たな治療展開を期待できるものと考える。同時に、HCCだけではなく他癌種においても脂質が治療標的となる可能性があると考えられる。
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