研究課題/領域番号 |
19K16740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 梓 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特別研究員 (70749796)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病ウイルス / エピゲノム / 成人T細胞白血病 / クロマチン / ATAC-seq / クロマチン構造 |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病(ATL) は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1) の感染により発症する難治性のT細胞悪性腫瘍である。 ATL細胞の由来はCD4陽性メモリー細胞と考えられてるが、その細胞分画とは異なる細胞形質も有している。どのような経路を経てATLが発症したのか、細胞の過去の状態、現在、未来の運命決定を説明するには遺伝子発現だけでなく、エピゲノムの情報が必須である。本研究ではATLのクロマチンデータとデータベース上に蓄積された様々な血球分画のクロマチンデータを詳細に比較解析することで、感染細胞がどのような経路でATL発症へと至るのかを推定し、実験的に検証し解明する。
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研究成果の概要 |
成人T細胞白血病 (ATL) は、ヒトT細胞白血病ウイルス (HTLV-1) の感染により発症する難治性のT細胞悪性腫瘍である。本研究ではATL症例細胞のクロマチン構造を詳細に解析することで、HTLV-1感染細胞がATLを発症するメカニズムの解明を目指した。課題遂行のためには健常細胞との比較解析が必須であり、まずサンプル間の比較解析の手法を開発した。またその手法をATL細胞の解析に用いるとATLはT細胞白血病であるにも関わらず、骨髄球細胞に類似したクロマチン構造を有する症例があることが明らかとなり、「骨髄球系細胞に近い形質を有するT細胞白血病細胞」の存在の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HTLV-1は母子感染するレトロウイルスで、数千年前から人類と共存してきた。感染者の90%は無症候のまま健康状態を保っているが、感染者の5%は成人T細胞白血病 (ATL) として知られる難治性の白血病やリンパ腫を発症する。HTLV-1は造血幹細胞を含め様々な細胞に感染し、さらに感染を維持したまま分化することが報告されているが、ATL発症メカニズムの関しては未だ不明な点も多い。本研究課題では健常人由来の細胞とのクロマチン構造の比較解析により、T細胞以外の要素を有するATL症例の存在が示唆された。
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