研究課題/領域番号 |
19K16743
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡西 広樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70792589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミノ酸 / トランスポーター / プロテオミクス / リン酸化プロテオミクス / シグナル伝達 / アミノ酸トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸は,がん細胞の異常な細胞増殖等を制御するリン酸化ネットワークを,シグナル分子として刺激する.がんの有用な治療標的であるアミノ酸輸送体LAT1を起点とするアミノ酸シグナルは,がん特異的な細胞内環境形成に働くと考えられているが,その全容は不明である.本研究では,まずLAT1特異的阻害剤の抗腫瘍効果を,がん細胞株で評価する.次に,抗腫瘍効果に関わるLAT1アミノ酸シグナルに依存したリン酸化ネットワーク動態を,高分解能質量分析計を用いて網羅的かつ定量的に明らかにし、各種の検証を行う.最終的には,LAT1アミノ酸シグナル分子群を標的とした,がん新規治療薬提案の基礎情報獲得を目標とする.
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研究成果の概要 |
がん細胞特異的アミノ酸輸送体LAT1は,リン酸化シグナルを刺激するアミノ酸の輸送を介して,がん細胞内環境を形成する.本研究では,LAT1依存的リン酸化動態を網羅的に解明した.LAT1阻害薬JPH203が有意な抗腫瘍効果を示した胆道がん細胞株4種で,LAT1阻害薬によるリン酸化・発現タンパク質変動をプロテオーム解析技術で解析した.数千のリン酸化変動・タンパク質発現変動を同定し,LAT1の広範な影響を明らかにした。有意な変動分子群を統合・抽出し,分子ネットワーク解析により重要な経路・調節因子の関与を示した.特に顕著だったCDKsなどは阻害薬検証を行い,臨床応用可能性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LAT1はがん細胞特異的に発現し,シグナル分子として働くアミノ酸の取り込みを介して細胞内環境を制御すると考えられている.しかし,mTORC1などよく知られた例以外はまだ不明な点が多かった.本研究により,LAT1阻害に伴う大規模なリン酸化動態変動が解明されたことは,今後のLAT1研究の基盤情報を提供するとともに,LAT1阻害による抗腫瘍作用を理解するために有用である.また,本研究ではがん細胞増殖抑制に関係する細胞周期停止におけるLAT1のかかわりを検証するのみならず,細胞周期関連リン酸化酵素阻害薬とLAT1阻害薬との併用で有用な抗腫瘍効果を明らかにした.これは今後の臨床応用可能性を示している.
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